米アラバマ州の現代自動車工場、労働者の30%以上が労働組合授権カードに署名

(米国、韓国)

アトランタ発

2024年02月02日

全米自動車労働組合(UAW)は2月1日、韓国の現代自動車の米国アラバマ州モンゴメリー工場で、工場労働者の30%以上が組合授権カード(注1)に署名したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

UAWが2023年11月29日に、米国で組合を持たない自動車メーカー13社(注2)で勤務する約15万人の労働者向けに、組合への加入を促すキャンペーンを開始して以降(2023年12月8日記事参照)、フォルクスワーゲン(VW)のテネシー州チャタヌーガ工場(2023年12月13日記事参照)、メルセデス・ベンツのアラバマ州タスカルーサ工場(2024年1月17日記事参照)に続いて3社目となった。

現代自動車は2023年11月、アラバマ工場労働者の賃金を2028年までに25%引き上げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、2024年初めには、2023年の昇給分も含め、労働者の賃金を2023年比で14%引き上げる。現代自動車の広報担当者は「労働者は経営陣との直接的な関係から恩恵を受けているものの、労働組合を労働者の代表とするかは、最終的には労働者たちが決めることだ」「現代自動車は競争力のある給与を支払い、業界をリードする福利厚生を提供する、質の高い仕事を支えることに深くコミットしている」と述べた(ブルームバーグ・ロー2月1日)。

UAWは1月29日、米国で組合を持たない自動車メーカー13社で1万人を超える労働者が組合授権カードに署名したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。さらに、VWのチャタヌーガ工場およびメルセデス・ベンツのタスカルーサ工場では、組合授権カードに署名した労働者が過半数に近づいているほか、20以上の工場で数千人規模の労働者が労働組合組織化運動に参加しているとのことだ。UAWのショーン・フェイン会長は、いくつかの工場では30%の閾値(しきいち)(注3)に近づいており、「(組合結成に向けた)大きな勢いがある」と述べている(ロイター2月1日)。

(注1)労働者が労働組合を交渉の際の代表として支持することを示す署名入りのカード。

(注2)今回対象となっている自動車メーカーは、日系のトヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、韓国系の現代、欧州系のメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、ボルボ、米国電気自動車(EV)メーカーのテスラ、リビアン、ルーシッドの13社。

(注3)UAWは、組合に加入していない工場の労働者の30%がUAW加入を求めるカードに署名すれば、それを公表している。

(檀野浩規)

(米国、韓国)

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