科学技術フレームワークの進捗などを発表、クラスター・マッピングツールも公開

(英国)

ロンドン発

2024年02月27日

英国政府は2月9日、科学技術フレームワークの進捗状況外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど同国の科学技術分野における取り組みの最新情報を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

同日発表された主な内容は次のとおり。

〇科学技術フレームワークに関する進捗状況および優先事項をまとめた最新情報

英国政府は、2030年までに英国を科学技術大国にすることを目標としている。2023年3月に、目標到達に向けた科学技術フレームワークを発表しており(2023年3月10日記事参照)、今回、その進捗状況と今後1年間の優先事項を示した。主な成果として、EUの研究開発プログラム「ホライズン・ヨーロッパ」への参画(2023年9月11日記事参照)や、AI(人工知能)セーフティサミットの主催(2023年11月10日記事参照)などを挙げた。また、政府が英国の研究開発に対して過去最高水準の資金を提供しており、過去1年で194億ポンド(約3兆7,054億円、1ポンド=約191円)を超えたことを報告するとともに、次期会計年度(2024年4月~2025年3月)中に200億ポンドを支出する予定としている。また、日本を含む既存の科学技術に関する2国間パートナーシップを強化拡大するとともに、野心的な新たなパートナーシップの確立も今後目指すとしている。

〇バイオテクノロジーに関するプロジェクトに1億ポンドの資金援助

パンデミックへの備え、革新的農業、洪水対策などの分野に役立つ新技術の開発を支援するため、「エンジニアリング・バイオロジー・ミッション・ハブ」6件と「ミッション・アワード」プロジェクト22件に対し、英国研究・イノベーション機構(UKRI)を通じて総額1億ポンドの資金援助を実施する。

クラスター・マッピングツール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのサービス開始

本ツールを利用することにより、研究・開発・イノベーション(RDI)エコシステムを構成するクラスターの場所や公的資金の流れ、売上高データなどを確認することが可能となる。政策立案者や投資家が英国のイノベーション・エコシステムをよりよく理解し、投資できるようにすることを目的としている。

〇英国が取りまとめに貢献した、研究開発におけるG7諸国の共通価値観およびベストプラクティスに関する文書の紹介

英国主導によりG7で取りまとめた国家安全保障を損なうことなく、保護するかたちで研究が実施されていることを明示したペーパーを2件紹介し、科学技術の世界における英国のグローバル・リーダーシップをあらためて示した。

(松丸晴香)

(英国)

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