IPEFサプライチェーン協定、2月末に発効

(米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

ニューヨーク発

2024年02月01日

米国商務省は1月31日、インド太平洋経済枠組み(IPEF)のサプライチェーン協定が2月24日に発効すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。サプライチェーンの途絶時の具体的な連携手続きを規定する初めての複数国間の協定となる。

IPEFサプライチェーン協定は、2023年11月に行われた閣僚会合で署名された(2023年11月17日記事参照)。同協定は、IPEFに参加する少なくとも5カ国が批准書や受諾書などを寄託国の米国(国務省)に寄託してから30日後に発効すると定めている(注1)。日本が2023年11月に、続いて米国が1月初旬に寄託しており(2024年1月12日記事参照)、商務省によると、その後にフィジー、インド、シンガポールも寄託したことで発効要件が整った。

IPEFサプライチェーン協定は、参加国の途絶リスクなどに対応するため、IPEFサプライチェーン協議会、IPEFサプライチェーン危機対応ネットワーク、IPEF労働権諮問委員会からなる「IPEFサプライチェーン機関」の設立を規定している(2023年5月29日記事参照)。今後、参加国は以下のスケジュールに沿って協定を履行していく。

  • 各サプライチェーン機関の代表の特定(3月25日まで)
  • 各サプライチェーン機関の議長の選出(4月24日まで)
  • 各サプライチェーン機関の付託条項の採択(6月23日まで)
  • 協定に基づく各国の協力を履行するための、各国の重要分野・品目の特定と他の参加国への通知(各国の協定発効日から120日後まで)
  • 労働権の侵害に関する施設固有の申し立てメカニズムのガイドラインの策定(8月22日まで)

なお、米国への寄託が済んでいない参加国でも、協定発効後30日以内に米国へ書面で通知することで、IPEFサプライチェーン機関に参加する代表者を指名できる。

商務省のジーナ・レモンド長官は「われわれは今後、参加国の労働者とビジネスのためにサプライチェーンを強化し、潜在的な混乱を未然に防ぐことを目標に、この革新的な枠組みを通じて協力しながら前進していく」と述べ、IPEFサプライチェーン協定の意義を強調した。

IPEFは合計で4つの柱から構成されており(注2)、残る3つのうち柱3の公正な経済、柱4のクリーン経済は実質妥結されている。一方で、柱1の貿易はデジタル貿易や労働などで交渉が難航しているとされているが、米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は、交渉分野の半分以上は妥結されていると述べている(通商専門誌「インサイドUSトレード」1月31日)。

(注1)協定発効時点で米国への寄託が済んでいない参加国に対しては、当該国が米国へ寄託した日の30日後に効力を有する。

(注2)USTRが柱1の貿易、商務省が柱2のサプライチェーン、柱3の公正な経済、柱4のクリーン経済の交渉を所管している。

(赤平大寿)

(米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

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