米エネルギー省、EVバッテリー製造のABSに1.7億ドル融資を発表
(米国)
ニューヨーク発
2024年02月26日
米国エネルギー省(DOE)の融資プログラム局(LPO)は2月22日、アメリカンバッテリーソリューションズ(本社:ミシガン州レイクオリオン、以下ABS)に対し、ライトビークルおよび中型、大型の電気自動車(EV)用バッテリーパック生産施設の拡張を支援するため、1億6,590万ドルの融資を条件付きで提供すると発表した。条件の具体的な内容については明らかにされていない。
ABSは2019年に創業した、商用車向けバッテリーの設計・製造を行う企業で、2023年末に建設機械大手のコマツが子会社を通して買収したことでも話題となった(2023年11月24日記事参照)。今回の融資は、オハイオ州スプリングボロでのバッテリーパック組立施設の建設や、ミシガン州レイクオリオンにある既存のバッテリーセルのテストおよび品質管理設備の更新が対象。施設が完成すれば、ABSは2026年までに年間約4.2ギガワット時(GWh)のリチウムイオンバッテリーパックの生産が可能となる。
今回の融資は、2022年8月に成立したインフレ削減法(IRA)の下で制定された総額400億ドルの「先端技術車両製造(ATVM)融資プログラム」によるもの。これまで、米国ゼネラルモーターズ(GM)と韓国のLGエナジーソリューション(LG化学の子会社)の合弁会社であるアルティウム・セルズ(本社:オハイオ州ローズタウン)に25億ドル(2022年12月13日記事参照)、また、テスラのサプライヤーであるオーストラリアの鉱物探査会社シラーテクノロジーズに1億700万ドル(2022年4月26日記事参照)の融資などが決定している。
(大原典子)
(米国)
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