カナダ中銀、政策金利を5.0%に据え置き、4会合連続

(カナダ)

トロント発

2024年01月25日

カナダ中央銀行は1月24日、政策金利を5.0%に据え置くことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。併せて、経済見通しを示す金融政策報告書を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。据え置きは2023年9月、10月、12月の発表(2023年9月7日記事2023年10月26日記事2023年12月7日記事参照)に続き4会合連続。中銀は「引き続き、量的引き締め政策を継続する」としている。

声明ではカナダ経済について、物価高と金利上昇が消費を抑制し、企業による投資も縮小するなど、2023年半ばから経済成長が停滞していることで、全体として経済はゆるやかな供給超過の状態とした。その一方、労働市場は求人数が新型コロナ禍以前の水準にまで回復し、雇用創出のペースは人口増加よりも遅いものの、賃金は4〜5%上昇しているとした。今後の見通しとしては、2024年後半には家計の支出が回復し、外需の回復により輸出や企業投資が加速するとの見方を示した。

消費者物価指数(CPI)上昇率は、12月に3.4%まで上昇(2024年1月17日記事参照)したが、その最大の原因は住宅関連費用と指摘した。また、今後のCPI上昇率は、2024年半ばまでは平均約3%で推移し、2025年には物価目標の2%まで徐々に緩和すると予想した。

今後の政策金利については、「依然としてインフレ基調の持続を懸念している」とし、「コアインフレ指標のさらなる緩和持続を望んでいる」と言及した。

発表を受けて同日、CIBCキャピタルマーケッツのマネジング・ディレクター兼チーフエコノミストのエイバリー・シェンフェルド氏は、2024年6月に中銀が(新型コロナ禍以降で最初の)利下げを実施、年内に合計して3.5%までの利下げを行うとの予想を維持するとした上で、「4月の政策金利発表における利下げの可能性は低いものの、成長率やインフレ率が予想より低い水準になった場合は、可能性はある」とコメントした(CIBCエコノミック・フラッシュ1月24日)。

次回の政策金利発表は3月6日に予定されている。

(斎藤健史)

(カナダ)

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