2023年の輸出は前年比減も回復の兆し、2024年は過去最高を目指す

(韓国)

調査部中国北アジア課

2024年01月30日

韓国関税庁は1月15日、2023年通年の輸出入統計(確定値)を発表した。輸出額は前年比7.5%減の6,323億8,400万ドル、輸入額は12.1%減の6,425億9,300万ドルで、貿易収支は102億900万ドルの赤字と、2022年に続いて赤字になった(2023年1月26日記事参照)(添付資料「表1 主要品目の輸出額」、「表3 主要品目の輸入額」参照)。2023年の輸出は全体としては不振だったものの、月ベースでは10月以降、前年同月比増が続いており、12月の輸出額は576億ドル1,400万ドルと2023年の月間で最高額を記録した。

輸出を主要品目別(注)にみると、半導体(前年比23.7%減)、石油製品(17.2%減)、合成樹脂(18.3%減)などが大きく減少したものの、自動車(31.1%増)、海洋船舶構造物および部品(20.1%増)は大幅に増加した。

主要国・地域別の輸出額では、中国(19.9%減)、ASEAN(12.6%減)、日本(5.2%減)などアジア諸国が減少したが、米国(5.4%増)や中東(7.3%増)などが増加した。(添付資料表2参照)。

輸入を主要品目別にみると、原油(18.7%減)、半導体(16.6%減)、天然ガス(27.9%減)、石油製品(13.3%減)などが減少した。

主要国・地域別の輸入額では、中国(7.6%減)、ASEAN(5.5%減)、日本(12.9%減)、米国(12.9%減)、中東(14.3%減)など、全面的に減少した(添付資料表4参照)。

2023年の輸出は通年では不振だったものの、韓国政府は、同年10月以降に輸出が前年同月比でプラスに転じた勢いを加速させ、2024年に過去最高の輸出額達成を目指す方針だ。産業通商資源部の安德根(アン・ドックン)長官は1月24日、主要輸出国・地域の商務官と、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)海外貿易館の各地域本部長を招集し、「2024年世界市場戦略会議」を開催した。2024年の輸出目標を前年比10.8%増の7,010億ドルとしたうえで、主要市場ごとに設定した輸出目標と市場進出戦略を検討した。具体的には、(1)主力市場(北米、中国、ASEAN)(2)戦略市場(EU、中東、日本、西南アジア)(3)新興市場(中南米、CIS、アフリカ大陸)の3つの区分に分け、それぞれの国・地域の輸出目標や輸出有望品目を選定した。主な国の輸出有望品目としては、北米は電気自動車(EV)、バッテリー、半導体、先端産業、中国は舶用機器、インスタント食品、医療用機器、日本はスマートファクトリー、EV・電装部品、再生可能エネルギーをあげた。

(注)輸出入の品目分類は韓国独自のコードMTI3桁ベースに依拠。

(益森有祐実)

(韓国)

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