韓国、2022年の貿易額は前年に続き過去最高、貿易収支は475億ドルの赤字に

(韓国)

中国北アジア課

2023年01月26日

韓国関税庁は1月16日、2022年通年の輸出入統計(確定値)を発表した。輸出額は前年比6.1%増の6,837億5,000万ドル、輸入額は18.9%増の7,312億1,700万ドルで、貿易額は前年に続き過去最高となった(2022年1月21日記事参照)。また、2022年12月まで、22カ月連続で月間500億ドルを突破した。しかし、貿易収支は474億6,700万ドルの赤字と、2008年以降14年ぶりの赤字になった(添付資料「表1 主要品目の輸出額」「表3 主要品目の輸入額」参照)。

輸出を品目別(注)にみると、石油製品(前年比65.1%増)、精密化学原料(73.6%増)などが大きく増加した。半導体の輸出額は2022年9月まで17カ月連続で100億ドルを記録し、下半期の価格下落にもかかわらず過去最高実績となった。

国・地域別の輸出額では、ゼロコロナ政策や対ロシア制裁などの影響により、中国とCIS諸国向けは減少したが、ASEAN諸国や米国向けが増加した。ASEAN諸国は半導体、平板ディスプレイおよびセンサー、石油製品を中心に前年比14.8%増、米国は自動車、バッテリーを中心に14.5%増だった(添付資料表2参照)。

輸入を品目別にみると、前年に引き続き原油(前年比57.9%増)、天然ガス(96.5%増)が大幅に増加したほか、石炭(92.6%増)、精密化学原料(61.2%増)なども増加した。

国・地域別の輸入額では、中東は原油や石油製品などで前年比67.7%増と大幅に増加した。アフリカ、大洋州は石炭や天然ガスによりそれぞれ36.8%増、36.6%増となった。日本は半導体などの増加により、0.1%増の547億700万ドルと微増だった(添付資料表4参照)。

産業通商資源部の李昌洋(イ・チャンヤン)長官は「ロシアによるウクライナ侵攻、高物価・高金利など厳しい経済状況下で、輸出額では過去最高実績を残し、世界の貿易額で6位に入るなどのさらなる外形的な成長を遂げた」と評価した。しかし、「エネルギー価格の高騰による輸入額の増加により、貿易赤字が発生したことを真摯に受け止め、対応する必要がある」と注意を促した。2023年については「世界的な経済停滞の中、新興国や資源国を中心に輸出市場の多様化を促進する」と述べた。

(注)輸出入の品目分類は韓国独自のコードMTI3桁ベースに依拠。

(益森有祐実)

(韓国)

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