インフレ率、3年ぶりに中銀目標値を達成

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年01月19日

ブラジル地理統計院(IBGE)は1月11日、同国の代表的な物価指数の拡大消費者物価指数(IPCA)について、12月単月の上昇率を前月比0.56%と発表した(添付資料表参照)。これにより、2023年通年の上昇率は4.62%にとどまり、中央銀行の2023年インフレ目標値3.25%(許容幅1.75~4.75%)を3年ぶりに達成した。

12月単月のIPCA上昇率を費目別にみると、9項目全てで上昇している。最も上昇率が高かったのは飲食料品(前月比1.11%)。次いで、家庭用品(0.76%)、衣類(0.70%)、交通・運輸(0.48%)、個人的支出(0.48%)と続いた。寄与度でみると、飲食料品(0.23ポイント)、交通・運輸(0.10ポイント)が高い。IBGEのアンドレ・アルメイダ物価指数アナリストは12月の上昇率について、気温上昇や大雨などの天候不順や、肥料高騰が飲食料品の原料の栽培に影響があり、農作品価格が上昇したと説明した。上昇した具体的な品目として、ジャガイモ(19.09%増)、豆類(13.79%増)、米(5.81%増)などを挙げている。

2023年1~12月累計のインフレ率を寄与度でみると、交通・運輸(前年比で7.14%増)は1.46ポイントとなっており、全体(4.62ポイント)の3割以上を占める。その要因については、2022年3月導入の燃料免税措置が2023年に7月にガソリンとエタノールに対して停止したことが挙げられる。また、アルメイダ氏によると、飲食料品の上昇率は1.03%にとどまり、全体の上昇率を抑えることに貢献した。主な要因としては、6月から9月まで大豆やトウモロコシが豊作だったこともあり、4カ月連続で飲食料品の上昇率がマイナスだったことが挙げられる。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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