2023年の対内直接投資額、中東含む西アジアで前年比2％増、アフリカで同1％減

国連貿易開発会議（UNCTAD）は1月17日、「Global Investment Trends Monitor, No. 46」で、2023年の世界での対内直接投資額（FDI、フロー）は前年比３％増の1兆3,650億ドルとの予測を発表した。中東を含む西アジアでは、前年比2％増の510億ドルと予測している。アラブ首長国連邦（UAE）では、公表ベースのグリーンフィールド投資件数が前年比28％増で、米国に次いで2番目に多かった。また、サウジアラビアのグリーンフィールド投資件数は前年比63％増と推定している。

アフリカへの2023年のFDIは前年比1％減の480億ドルだった。世界のFDIでのシェアは低いが、アフリカではグリーンフィールド投資が増加しており、特にモロッコ、ケニア、ナイジェリアでのグリーンフィールドプロジェクトの発表が多かった。一方、プロジェクトへのファイナンス案件は、世界平均の落ち込みを上回る約3分の1の減少だった。

なお、2023年のFDIは、新興国全体では前年比9％減の8,410億ドルとなっており、新興国全体の減少の割合と比べると、アフリカの減少率は小さい。

各地域の2023年のFDIは次のとおり（かっこ内は前年比増加率）。

• 先進国：5,240億ドル（29％増）
• 北米：3,770億ドル（0％、微減）
• 欧州：700億ドル（前年は投資引き上げ超過）
• 新興国：8,410億ドル（9％減）
• アジア：5,840億ドル（12％減）※うち西アジア（中東）は510億ドル（2％増）
• ラテンアメリカ・カリブ諸国：2,090億ドル（0％、微減）
• アフリカ：480億ドル（1％減）※うち北アフリカは120億ドル（21％減）

（井澤壌士）