ECプラットフォームの抖音電商、2023年知的財産権保護報告を発表

(中国)

上海発

2024年01月04日

中国EC(電子商取引)プラットフォームの「抖音電商(Douyin EC、注1)」は12月22日、知的財産権保護に関する年度交流会を上海市で開催し、「2023年抖音電商知的財産権保護報告」(以下、報告)を発表した(「抖音電商微信公衆号」2023年12月23日)。

報告によると、「効率良くて使いやすい」という目標達成に向け、抖音電商は権利保護プラットフォームである「IPPRO」(注2)をアップグレードした。データの可視化やステップガイドなどの機能を開発したうえ、人的資源の投入にも注力し、審査プロセスの最適化をはかった結果、知的財産権の権利保護の効率が大幅に向上した。2023年、「IPPRO」における権利保護の申し立て総数は5倍増加したが、平均処理期間を3営業日以内に収め、所要時間を前年同期比50%以上短縮させた。

2023年12月までに、「IPPRO」は5万以上の権利者と8万件以上の知的財産権登録商標にサービスを提供しており、54万件以上の権利侵害品の販売リンクを削除し、権利侵害行為を起こしたキーオピニオンリーダー(KOL)に対して5万件以上の処分を下した。

また、抖音電商は模倣品取り締まりを徹底しており、モニタリングおよび対策を継続的に強化し、製品販売における各段階において自主的な機能を発揮している。模倣品の販売を発見した場合、プラットフォームは備え付けの自主識別機能を発揮し、「ブランド商標のただ乗り行為の識別」「模倣品販売を行う業者の特定」「プラットフォーム外へ模倣品を横流し販売する行為の識別」など多くの事項を自動的に認識する。これにより、全体の処理の正確率は99%を超え、ライブ配信およびショート動画の模倣品販売の申し立ては16%減少した。

2023年、抖音電商は80万件以上の模倣品販売リンクを自主的に削除し、6万以上の模倣品販売店舗を閉鎖させ、コンテンツクリエイターの権利侵害行為を6万件以上処分し、プラットフォーム外に横流し販売を行った模倣品販売アカウント4万件を閉鎖させた。また、4,000以上のブランドを自主的に保護し、権利侵害コンテンツ2万4,000件以上を処分し、権利侵害アカウント1万8,000件以上を処罰した。ブランド名と宣伝内容が一致しない商品1,900万点以上を差し止めた。また、抖音電商は関係当局と協力し、33件の権利侵害刑事案件の取り締まり、136人の権利侵害容疑者の逮捕に至り、権利侵害に該当する商品総額は3億8,800万元(約77億6,000万円、1元=約20円)にのぼる。

写真 交流会現場の様子(ジェトロ撮影)

交流会現場の様子(ジェトロ撮影)

(注1)抖音電商は、上海格物致品網絡科技が提供する中国でのECプラットフォーム。

(注2)IPPROは、業界初のライブ配信向けのワンストップ権利保護システム(2023年3月31日記事参照)。

(陳貝蓓)

(中国)

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