中国、政変後のニジェールに企業代表団を派遣

(ニジェール、中国)

アビジャン発

2023年12月08日

中国湖南省の企業代表団5社17人が11月28日、ニジェールを訪問した。2023年7月26日に発生したクーデター(2023年7月31日記事参照)の前に湖南省長沙市で開催された「第3回中国アフリカ経済貿易サミット」(2023年7月5日記事参照)で締結された協力覚書に基づくもので、クーデター後も両国間の協力は継続的に行われている。

同覚書で、ニジェール政府と中国商社の湖南湘非聯博国際貿易はニジェールの首都ニアメの工業団地建設プロジェクトへの投資協力に合意した。湖南湘非聯博国際貿易は、同じく中国企業で国外の大規模インフラ事業を手掛ける中湘海外建設発展(SHICO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと共同で、このプロジェクトを請け負う。さらに、建設資材加工や農産物加工、日用品製造、鉱業開発などを行う中国企業を呼び込み、プロジェクトを推進していく構えだ。

蔣烽・駐ニジェール中国大使は代表団に向け、クーデター後のニジェールの政治、経済、治安の概況を説明し、プロジェクトを成功に導くよう中国企業を激励した。

ニジェールでは近年、旧宗主国フランスと並んで、中国のプレゼンスが高まっている。中国商務部が公表している2022年度の対ニジェール投資指南PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、ニジェールへの主要投資国はフランスと中国だ。原子力関連事業では、フランスのオラノ(ORANO)や中国の中国核工業集団(CNNC)が進出している。石油開発事業では、中国石油天然気集団(ペトロチャイナ、CNPC)が進出している。在ニジェール中国企業は既に40社近くに上り、石油やウラン鉱開発事業に加え、電力、通信、土木建設などの事業を展開している。特に石油分野で中国との協力関係は緊密で、ペトロチャイナが手掛けるアガデム油田プロジェクトは、2011年から2020年までの年平均で、ニジェールの石油輸出額の16%、税収による政府歳入の19%に貢献している。

(藤本海香子)

(ニジェール、中国)

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