COP28閉幕、化石燃料からの脱却加速で合意、COP29はアゼルバイジャンで開催予定

(アラブ首長国連邦、アゼルバイジャン、世界)

ドバイ発

2023年12月14日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)(2023年12月1日記事参照)は、会期を1日延期して12月13日に閉幕した。最終合意をめぐり協議が難航し、当初12月12日に閉幕予定だったものが翌日まで延長して各国夜通しで協議を続け、13日に合意にこぎつけた。

合意文書では、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするネットゼロ目標に向け、すべての国に「化石燃料からの脱却を進め、今後10年間で行動を加速させる」と定めた。「化石燃料の段階的な廃止」については、当初案に記載があったもののその後の草案からは表現が削除され、最終的には合意に至らず掲載が見送られた。しかし、合意文書に化石燃料の文言が入ったことは「歴史的なことだ」と議長を務めるスルターン・ビン・アフマド・スルターン・アール・ジャーベルUAE産業・先端技術相兼アブダビ国営石油会社(ADNOC)最高経営責任者は述べた。

併せて、COP28で初めて実施されたグローバル・ストックテイク(GST)の決定文書が採択され、パリ協定の目標達成にあたり、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える目標に向けて、行動と支援が必要であることが強調された。化石燃料からの脱却を進め、ネットゼロの達成の達成に向けて「国が決定する貢献」〔Nationally Determined Contributions(NDCs)〕の提出を促し、2030年までに再生可能エネルギー発電容量を世界全体で3倍、エネルギー効率の世界平均2倍にするという新たな目標を盛り込んだ。また、原子力エネルギー(2023年12月6日記事参照)、二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)技術、低炭素な水素(2023年12月14日記事参照)などの、脱炭素に貢献する技術に関する取り組みの推進も呼びかけられた。

次回のCOP29はアゼルバイジャンに開催地が決定した。2024年11月11~22日に開催の予定だ。

(清水美香、久保田夏帆)

(アラブ首長国連邦、アゼルバイジャン、世界)

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