中銀、政策金利を中銀債の利率から翌日物リバースレポ取引の利率に変更

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年12月22日

アルゼンチン中央銀行は12月18日、政策金利をこれまでの28日物中央銀行債(Leliq)の利率から、翌日物リバースレポ取引の利率に変更すると発表した。新たな政策金利は100%となった。

中銀はこれまで、Leliqを通じて市中の通貨ペソを吸収することで、インフレを抑制するとともに、ペソの需要を喚起してきたが、流動性管理の手段をリバースレポ取引に一元化し、その利率を政策金利とした。Leliqの入札は順次停止される。ハビエル・ミレイ大統領は、マネタリーベースの2倍というLeliqの残高が市場の過剰流動性を示しているとして、ハイパーインフレを回避するためにも、Leliqの問題に優先的に取り組むとしていた。

また、中銀は翌19日、定期預金の最低金利でもあるLeliqの利率をこれまでの133%から110%に引き下げた。中銀が12月13日に公式為替レートを50%超切り下げた結果、ジェトロの調査(2023年12月22日記事参照)によると、物価はその直後から急速に上昇している。中銀は「流動性の大幅な余剰と高インフレを背景に、定期預金の最低金利を維持することが賢明」としているが、定期預金金利はインフレ率を大幅に下回る見通しだ。しかし、定期預金には30日満期の定期預金と90日満期の購買価値連動定期預金(UVA)があり、UVAはインフレ率に連動するため、UVAを使えば引き続きペソの価値の目減りを防ぐことができる。ただし、90日間現金を引き出せないことが弱点だ。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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