「日本・サウジアラビア投資フォーラム」をリヤドで開催

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2023年12月27日

ジェトロは12月25日、サウジアラビア投資省、日本の経済産業省、中東協力センターと共催で「日本・サウジアラビア投資フォーラム」をサウジアラビアの首都リヤドで開催した。フォーラムには約300人(日本政府・企業関係者約150人、サウジアラビア政府・企業関係者約150人)が参加した。

両国間の戦略的パートナーシップ「日・サウジ・ビジョン2030」の下、一層の関係深化を目的に開催された同フォーラムでは、ハーリド・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・ファーレフ投資相が歓迎のあいさつを行い、「日本は2017年に世界で初めて水素国家戦略を発表し(2023年6月9日記事参照)、2040年までに水素供給量を年間1,200万トンに増やすとしている。サウジアラビアは、グリーン水素の輸出国としての地位を確立することを目指している。サウジアラビアは日本にブルーアンモニアを初輸送した国(2023年4月21日記事参照)で、新エネルギー分野でのパートナーシップは拡大する」と述べた。

同相はまた、「2016年に共同ビジョンを発足させて以降、両国のパートナーシップはますます重要性を増した。サウジアラビアは国家戦略のビジョン2030の目標を達成するために、今後7年間で3兆ドルの投資が必要だ」と述べ、参加した日本企業に対してサウジアラビアへの投資を呼びかけた。

齋藤健経済産業相は開会あいさつで、「日本とサウジアラビアは、脱炭素をはじめ、さまざまな分野で協力し、共に成長していくグローバル・パートナーとして関係性を一層深化させる」と述べた。さらに、サウジアラビアの産業多角化が進むなか、医療・ヘルスケア、水、宇宙などの分野で新たな取り組みが進んでおり、これらの分野においてフォーラムに参加した日本企業とサウジアラビア企業との間で多くの交流がなされ、将来のプロジェクトに結実することを期待するとした。

続いて、経済特区庁(ECZA)、中東協力センター、ジェトロが、サウジアラビアの経済特区、官民連携(PPP)、各組織の活動などについてそれぞれプレゼンテーションなどを行った後、日本企業とサウジアラビア政府・企業との間で金融、テクノロジー、観光、エネルギーなど14件の協力覚書(MOU)が締結され、フォーラム会場ではそのうち13件のMOUが発表された。

フォーラム後半には、4つのテーマ(ヘルスケア、次世代エネルギー、ギガプロジェクト、宇宙)ごとにパネルディスカッションを実施した。各分野のサウジアラビアでの投資機会や日本企業の事業展開の可能性について、日本・サウジアラビアの政府・企業関係者らが活発に意見交換を行った。

写真 開会あいさつをする齋藤健経産相(サウジアラビア投資省提供)

開会あいさつをする齋藤健経産相(サウジアラビア投資省提供)

写真 パネルディスカッションの模様(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの模様(ジェトロ撮影)

(林憲忠)

(サウジアラビア、日本)

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