パテル・グジャラート州首相がドレラSIR視察、開発計画の加速指導

(インド)

アーメダバード発

2023年12月22日

インド西部グジャラート(GJ)州のブペンドラ・パテル州首相は12月15日、開発が進むドレラ特別投資地域(SIR)を州政府幹部とともに訪問した(12月15日GJ州政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

同州の最大都市アーメダバードから南に約100キロの距離に位置するドレラSIRは、インド産業回廊開発公社(NICDC)が推進するデリー・ムンバイ産業大動脈構想(DMIC)の重要ノードの1つ。総面積920平方キロの地域をカバーするスマートシティー開発計画だ。パテル州首相は今回の訪問で「フェーズI」内の22.54キロメートルにわたる「活性エリア」で進行中の作業を視察した。

ドレラSIRは、インド西部の基幹鉄道「西部専用貨物回廊(DFC)」に接続する産業クラスター開発の中心的な拠点として浮上しており、工業団地と居住地区の整備とともに、鉄道、道路、港湾、国際空港などの産業インフラ整備が進んでいる。フェーズIは開発計画の95%まで完了しているという。

また近年、GJ州政府は半導体政策に基づいて、ドレラSIRでの「半導体製造ハブ構想」を戦略的に進めている。11月に国際協力銀行(JBIC)とジェトロが開催した「ドレラSIR視察ミッション」には、日本、インド、シンガポールから、半導体製造やテストパッケージング、部品製造、製造設備・装置、素材、生産財など38社の60人が参加するなど、日本の半導体関連企業からもその動向に注目が集まっている(2023年11月16日記事参照)。

パテル州首相の視察後、プロジェクト関係者によるハイレベル会合でレビューが行われた。防衛・航空宇宙、エンジニアリング、自動車・同部品、製薬、農業・食品加工、再生可能エネルギー、IT、エレクトロニクス分野のビジネスに有利な立地であることはもちろん、GJ州政府が戦略的に誘致を進める半導体やディスプレー、グリーン水素の製造など、最先端産業分野でも大きな可能性があることを確認した。パテル州首相は、ドレラSIRで次世代技術を推進することがインドの持続可能な開発に重要な役割を果たすと強調し、今回の訪問を通じて迅速にドレラSIRを世界的な産業拠点として確立するための重要な指導を行ったとしている。

なお、2024年1月に開催されるインド最大級の投資誘致イベント「バイブラント・グジャラート・グローバル・サミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」でも、ドレラSIRや半導体製造などをテーマにしたさまざまなビジネスセッションが予定されている。

(古川毅彦)

(インド)

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