11月のカナダ消費者物価指数、10月に続き前年同月比3.1%上昇

(カナダ)

トロント発

2023年12月20日

カナダ統計局が12月19日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比で3.1%上昇と、10月の上昇率(3.1%、2023年11月22日記事参照)から横ばいとなった(添付資料表参照)。

統計局では、11月の前年同月比上昇に最も大きく寄与したものとして、住宅ローン金利(29.8%上昇)、食料品(4.7%上昇)、家賃(7.4%上昇)を挙げた。

サービス価格も引き続き上昇し、前年同月比で4.6%上昇と、10月と同様だった。このうち、旅行が26.1%上昇した一方、ブラックフライデーを前にしたさまざまなプロモーションにより携帯電話サービスは22.6%下落し、旅行による上昇を相殺した。

一方、エネルギー価格は前年同月比で5.4%下落した10月と同様に、11月は5.7%下落した。このうち燃料油とその他の燃料の価格は、燃料油に対する連邦政府の炭素課税が一時的に停止されたことから、10月に12.6%下落後、11月は23.6%下落となった。

発表を受けて同日、モントリオール銀行(BMO)のチーフエコノミスト兼マネジングディレクターのダグラス・ポーター氏は「本日のやや期待外れの結果は、まだインフレとの戦いが続いていることを如実に物語っているが、大局的な見方は変わっていない。すなわち、基調的なインフレ率は低下傾向にあり、景気は冷え込んでおり、中央銀行は2024年半ばごろから利下げを開始すると予想されるということだ。余談だが、中銀は最新予測で第4四半期(10~12月)の平均インフレ率を3.3%としていたため、今回の結果は中銀にとって大きな衝撃ではないだろう(12月のCPIがより高い数値になる可能性が高いため、今回の発表を踏まえると3.3%はあり得る)。それでも、今回の結果は、市場が早期かつ頻繁な利下げをやや強引に予想していたというメッセージを強めるものだ」とコメントした(エコノファクツ12月19日)。

中銀の次回の政策金利発表は2024年1月24日に予定されている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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