米NY州最高裁、2024年選挙に向けて選挙区割り再編を要請

(米国)

ニューヨーク発

2023年12月19日

米国ニューヨーク(NY)の州最高裁判所に相当する控訴裁判所は12月12日、2024年の選挙に向けて、2022年に編成された現行の区割りは、法令違反是正のために必要とされるものに限定されるとし、独立選挙委員会(IRC)に対して、可能な限り早期、遅くとも2024年2月28日までに、新たな区割り案と実施案を提出すべきと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。これにより、2022年の下院選で共和党が4議席奪取することとなった選挙区割りは、事実上廃止されることになる。

2022年に提案されたNY州の選挙区割り草案は、民主党員のみによって編成され、共和党員の賛成票が1票も入らないまま、民主党が多数派を占める同州議会で可決されていた。これに対しNY州の裁判所は、この区割りが州の憲法に反するとし、最終的には、裁判所が命じた外部専門家が作成した区割りが採用された。これにより2022年の中間選挙では、民主党優位といわれていた地域で、共和党が連邦下院の議席を積み増していた(2023年2月10日付地域・分析レポート参照)。

NY州のキャシー・ホークル知事(民主党)とレティシア・ジェームス司法長官(民主党)は2023年4月7日に、州の選挙区割りに関する意見陳述書を提出していた。両氏は裁判所の発表と同日に共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出し、「本日の選挙区割りに関する決定により、公正かつ公平に選出される議員がNY市民を代表することになる。州控訴裁判所が再び断言したとおり、区割りは独立区割り委員会によって編成されるべきだ。われわれは、NY市民の投票権を守るための努力を続ける」と述べた。

なお、2022年の区割り編成後の連邦下院選挙で、共和党が民主党から奪取した4議席のうち、ロングアイランドに位置する第3区から選出されたジョージ・サントス議員(共和党)は2023年12月1日、詐欺や虚言を行っていたために除名処分となった。空席を埋める特別選挙は、2024年2月13日に予定されている(2023年12月7日記事参照)。

(吉田奈津絵)

(米国)

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