ビエンチャン(カムサワート)駅が完成

(ラオス、タイ)

ビエンチャン発

2023年11月08日

ラオスの首都ビエンチャンで10月30日、タイ国鉄の延伸事業(第2フェーズ)の完成式典が行われた。式典には、ソーンサイ・シーパンドン首相やタイのセター・タビシン首相が参列した。タイ国鉄のラオス国内への延伸事業では、2009年3月に第1フェーズとしてタイ国境から3.5キロの位置にタナレーン駅が開通していた(2008年7月8日記事参照)。第2フェーズでは、さらに7.5キロメートル北にビエンチャン(カムサワート)駅を新たに建設し、線路や信号システムなどの整備が行われた。同事業は、タイの周辺諸国経済開発協力機構(NEDA)を介した援助で実施された。建設総額は約9億6,000万バーツ(約40億3,200万円、1バーツ=約4.2円)のうち30%が無償資金協力、70%がソフトローンだ。ラオス鉄道局への聞き取りによると、ビエンチャン(カムサワート)駅での正式サービス開始は12月2日を計画しているという。これに伴い、タナレーン駅は旅客サービスを停止し、貨物サービスのみの取り扱いになる予定とのこと。国際旅客はビエンチャン(カムサワート駅)で出入国検査を行うことになる。

また同日、NEDAとラオス鉄道公社は、列車運行準備のための技術的支援に関する議事録に調印した。ラオス人運転士などの人材育成や、持続的なビジネスモデルの構築などで協力を行うとしている。

タイのセター首相は、就任後初めてのラオス訪問となり、同日行われたソーンサイ首相との首脳会談では、ビエンチャンとタイのノンカイを結ぶメコン川に架かる鉄道専用橋の建設を2026年までに開始することが合意された。そのほかにも、国道12号線の改修や第6ラオス・タイ友好橋(サラワン・ウボンラチャタニ間)建設事業の推進、第2ラオス・タイ友好橋(サワンナケート・ムクダハン間)での共通監査エリア(CCA、注)の推進などで合意している。

写真 ビエンチャン(カムサワート)駅の駅舎内、到着後出入国手続を行うことができる(ジェトロ撮影)

ビエンチャン(カムサワート)駅の駅舎内、到着後出入国手続を行うことができる(ジェトロ撮影)

(注)共通監査エリア(CCA:Common Control Area)とは、大メコン圏(GMS)における越境交通協定(CBTA)に基づき両国の税務官などが共同で検査を行うことができるエリアを指す。詳しくは2015年1月15日記事参照のこと。

(山田健一郎)

(ラオス、タイ)

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