原産地証明書の電子化や通関システムについて解説

(インドネシア、日本)

ジャカルタ発

2023年11月01日

ジェトロは1026日、インドネシア関税総局から講師を招き、日インドネシア経済連携協定(IJEPA)の原産地証明書電子化の状況と、インドネシア通関システム(CEISA)のバージョンアップ状況について解説するオンラインセミナーを実施した。IJEPAは日本とインドネシア間の貿易で最も多く活用されているEPAで、20236月に日本で初めてのe-COO(電子原産地証明書)交換システムが導入された。実際の運用が進むにつれ、導入開始前には見えていなかった疑問点が明らかになり、ジェトロに対する問い合わせも増加している。

また、2023年には、インドネシア税関が運用するCEISAについても、タンジュンプリオク港などの主要な貿易港を対象に、バージョン3.0から4.0への移行が徐々に進められており、現在多くの輸入者が利用しているCEISAバージョン3.0が利用できなくなる港が増えていくことが見込まれている。日本とインドネシア間で出入りを行う日系企業を含む事業者は、最新バージョンのCEISA4.0への適応が求められ、移行スケジュールや新システムの稼働状況になどに関心が集まっている。

セミナーでは、IJEPA e-COO導入後の状況や、CEISAシステムの概要、バージョン4.0へのバージョンアップスケジュールについて、インドネシア関税総局が説明した(添付資料参照)。特に、法令上は電子データによるCOO(原産地証明書)の交換が原則とされつつも、CEISA4.0が導入されていない港湾では、電子データに併せてPDF形式でのCOO提出が求められているなど、現在の運用に関する説明が行われた。また、CEISA4.0システムに関して、インドネシア関税総局は、旧バージョンの3.0に比べて十分な処理速度などが得られておらず、バグの修正を行っている状況にあることを認めつつも、システム改善のためにも企業関係者は利用を進めてほしいと要請した。CEISAシステムのバージョンアップのスケジュールについては、それぞれ保税倉庫関連に関しては2023114週目から、輸出関連業務に関しては同年11月第3週から、輸入関連業務に関しては、スラバヤ、ジャカルタで同年12月初旬から実施されるとの説明もあり、関係する輸出入者はCEISA4.0導入への準備を進めていくことが重要となりそうだ。

参加した日本企業関係者からは、発行されたIJEPA e-COOの訂正方法や日本側入力内容とインドネシアでの表示内容が異なっている場合の対処法、CEISA4.0システムに対する改善要望などに関する質問や意見が多く寄せられ、関心の高さがうかがわれた。

写真 オンラインセミナーの様子(ジェトロ撮影

オンラインセミナーの様子(ジェトロ撮影)

(中村一平)

(インドネシア、日本)

ビジネス短信 afe686c7b39d017e