米内務省、メキシコ湾で4つの洋上風力発電開発海域を決定

(米国)

ヒューストン発

2023年11月02日

米国内務省の海洋エネルギー管理局(BOEM)は10月27日、メキシコ湾で新たに4つの洋上風力発電開発海域を指定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。対象はテキサス州およびルイジアナ州沖の海域で、将来的には約300万世帯以上にクリーン電力を供給できる可能性があるとしている。今回、指定された洋上風力発電開発海域は次の4カ所。

  1. テキサス州の沖合約47.2マイル(約76キロ)の49万5,567エーカー(約2,005平方キロ)の海域。約210万世帯に電力を供給できる可能性あり。
  2. テキサス州の沖合約61.5マイル(約100キロ)の11万9,635エーカー(約484平方キロ)の海域。約51万世帯に電力を供給できる可能性あり。
  3. テキサス州の沖合約52.9マイル(約85キロ)の9万1,157エーカー(約369平方キロ)の海域。約39万世帯に電力を供給できる可能性あり。
  4. ルイジアナ州の沖合約82.0マイル(約132キロ)の5万6,978エーカー(約231平方キロ)の海域。約24万世帯に電力を供給できる可能性あり。

今回の開発海域選定に際し、BOEMは、米国海洋大気庁(NOAA)と協力して、メキシコ湾全体の生態系を分析した海洋モデルを構築し、他の産業用途との競合が少なく、環境への影響が最も少ない海域を抽出したとしている。BOEMは、開発海域の洋上風力発電リース販売に向けて、今後、リース販売案を提示し、60日間のパブリックコメントを受け付ける予定だ。

BOEMのディレクターのエリザベス・クライン氏は「メキシコ湾で洋上風力産業を創出するには時間とパートナーシップが必要。産業界から継続的な関心が示されたことと、パートナーや主要なステークホルダーからのフィードバックを踏まえ、BOEMは新たな洋上風力リース販売を追求している」と述べた。

BOEMは、2022年10月にメキシコ湾で初の洋上風力発電開発海域2カ所(テキサス州ガルベストン沖、ルイジアナ州レイクチャールズ沖)を決定(2022年11月2日記事参照)し、2023年2月に洋上風力発電リース販売通知案を公表(2023年2月24日記事参照)している。また、2023年8月にはルイジアナ州レイクチャールズ沖の洋上風力発電開発海域を、RWEオフショアUSガルフが560万ドルで入札したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

(深石晃)

(米国)

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