英中銀、金利5.25%に据え置き、経済成長の見通しは前回予測から引き下げ

(英国)

ロンドン発

2023年11月07日

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は11月2日、政策金利を5.25%に据え置くことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定した。前回の9月(2023年9月22日記事参照)から2会合連続の据え置きで、市場の予測どおりの結果になった。

MPCでは、9人中6人の委員が据え置きを支持し、3人は0.25ポイント増加の5.5%を支持していた。据え置きの決定の背景として、GDP成長率が中期的に過去平均を下回る状況が続く見通しであることや、超過需要が減少傾向にあり、失業率も上昇する懸念があることなどが挙げられた。

金融政策報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、GDP成長率の見通しに関して、これまでの新型コロナウイルス感染拡大とエネルギー危機に関連した財政緩和策の押し上げ効果が弱まり、成長率を押し下げると指摘されている。同報告書では2023年の成長率を0.5%、2024年を横ばい、2025年を0.25%と予測しており、2024年について前回(8月)の予測を引き下げている。

また、失業率に関しては、近年、労働市場の効率性が低下し、求職者と求人のミスマッチが起きていることから、構造的に均衡失業率が高くなっているとしている。報告書では、2023年の失業率の見通しを4.3%、2024年を4.7%、2025年を5.0%と予測している。

インフレ率に関しては、エネルギー価格と食料品価格の上昇が緩和されるにつれて低下し、2024年は3%前後で推移すると予測しており、目標の2%に戻るのは2025年末との見通しを示している。BOEは引き続き、労働市場の逼迫、賃金上昇率、サービス価格のインフレ率など、持続的なインフレ圧力の兆候と経済活動の強靭(きょうじん)性を注意深く監視するとし、インフレ目標の2%を達成するためには、金融政策の引き締めが十分な期間必要とした。

(松丸晴香)

(英国)

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