英中銀、金利5.25%に据え置き、予測下回るインフレ率など受け

(英国)

ロンドン発

2023年09月22日

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は9月21日、政策金利を5.25%に据え置くことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定され、2021年12月から14回連続で続いていた利上げ後、初の据え置きとなった。

MPCでは、アンドリュー・ベイリー総裁を含む9人中5人の委員が据え置きを支持した。要因として、MPCと同日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が予想を下回ったことや、これまでの金融引き締め策が失業率の上昇など市場経済に影響を与えている兆候が大きくなっていることを挙げた。また、今後の見通しとして、短期的にはインフレ率はさらに低下するとした。エネルギー価格の高騰が抑えられていることや、食品などの主要商品のさらなるインフレ率低下を背景としている。一方で、サービス価格のインフレは短期的には上昇する見通しとした。

インフレ圧力がさらに持続することがあれば、さらなる金融引き締めが必要となるとし、今後の利上げの可能性にも触れている。

英国国家統計局(ONS)の9月20日付発表によると、8月の前年同月比のインフレ率は6.7%外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、前月比で0.1ポイント低下した。

前回のMPC予測を0.4ポイント下回り、2022年2月以来の低水準となった。ONSによると、宿泊費や航空運賃の下落や、牛乳・チーズを筆頭に野菜や魚を含む食品価格のインフレ緩和が要因とされている。一方で、自動車燃料価格の高騰が上昇に最も大きく寄与した。

英国のインフレ率は2022年10月の11.1%をピークに緩和傾向にあるが、依然としてEU、米国と比べ高い水準にある。

(松丸晴香)

(英国)

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