豊田自動織機、米ジョージア州の拠点拡大に6,900万ドルを投資
(米国、日本)
アトランタ発
2023年11月16日
米国ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)は11月14日、豊田自動織機グループのトヨタ・インダストリーズ・エレクトリック・システムズ・ノースアメリカ(TIESNA)が同州ペンダーグラスに新工場を設立すると発表した。投資金額は6,900万ドルで、250人以上を雇用予定だ。
豊田自動織機グループは、2004年にTDオートモーティブ・コンプレッサー・ジョージア(TACG)、2012年にトヨタ・インダストリーズ・コンプレッサー・パーツ・アメリカ(TICA)を設立し、ペンダーグラスで自動車用エアコンのコンプレッサーなどを生産している。今回は、TACGとTICAが立地するエリアを拡張するかたちで、TIESNAが新工場を建設する。新工場では、12ボルト用バッテリーや車載コンピュータなどに電力を供給するために電圧を変換するDC-DCコンバータを生産する予定で、操業開始は2025年を見込んでいる。
ケンプ知事は「ジョージア州は自動車産業のリーダーとしての地位を確立している。そして、豊田自動織機がビジネスに最適なこの州(注)での拠点拡大を選んでくれたことに感謝している」と述べた。
TIESNAは、ジョージア州から雇用創出税額控除と企業ごとにカスタマイズされた職業訓練プログラム「ジョージア・クイック・スタート」による労働者訓練のインセンティブを獲得する可能性が高く、ジョージア州経済開発局の広報担当者によると、補助金などの裁量的インセンティブに関わる交渉は引き続き活発だという(「アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション」紙電子版11月14日)。
ジョージア州によると、同州の2023会計年度の自動車産業での雇用創出は4.2倍(2021会計年度比)で、同州の完成車メーカー(OEM)が引き寄せたサプライヤーによる投資は州全体で20億ドル以上となっている。
(注)ジョージア州は、米国における企業の立地情報を提供する「エリア・ディベロップメント」誌による2023年全米州別ビジネス環境ランキングで、10年連続1位に選出された(2023年10月11日記事参照)。
(吉田祥子)
(米国、日本)
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