メモリーの回復など2024年は2桁成長の見通し、世界半導体市場予測

(世界)

調査部国際経済課

2023年11月29日

世界半導体統計(WSTS)は11月28日、2023年秋季半導体市場予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2023年の半導体市場は前年比9.4%減の5,201億ドルの見通し。パワー半導体市場の伸びが全体を牽引したことで、前回予測(2023年6月)から0.9ポイントの上方修正となった。(添付資料図参照、2023年6月7日記事参照)。また、ロジックやメモリーICの市況も2023年第2四半期(4~6月)から第3四半期(7~9月)にかけて、落ち込み幅が従来見通しよりも改善された。

地域別には、欧州(注1、2023年の市場:570億ドル)が前年比5.9%増となった一方、米州(1,325億ドル)は6.1%減、アジア大洋州(2,833億ドル)が14.4%減と低迷した。日本(472億ドル)は2.0%減だった。WSTS日本協議会PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、円ベース(注2)の日本市場は4.2%増の6兆5,937億円とし、自動車用途を中心に、マイクロ、アナログ、ディスクリート(個別半導体)が安定成長するとみている。

世界全体が回復基調、日本市場は7兆円突破へ

対照的に、2024年の半導体市場は前年比13.1%の5,884億ドルに達する見通し。WSTSは前回予測から1.3ポイント分を上方修正し、世界全体で「力強い回復」がみられると述べた。特にメモリーIC(2024年の市場:1,298億ドル)が44.8%もの急回復を果たすとしている。

市場の8割を占めるIC全体(同4,875億ドル)は15.5%増で、そのうちロジックIC(1,917億ドル)は9.6%増、アナログIC(841億ドル)は3.7%増、マイクロIC(819億ドル)は7.0%増とそれぞれ予測されている。IC以外では、オプトエレクトロニクス(433億ドル)は1.7%増、ディスクリート(375億ドル)は4.2%増、センサー(201億ドル)は3.7%増となる見込み。

2024年は全ての地域が回復基調にあり、特に米州は22.3%増、アジア大洋州は12.0%増とそれぞれ2桁成長となる見通し。WSTS日本協議会は、2024年の日本市場について、8.0%増の7兆1,221億円に上ると予測している。

(注1)欧州には中東アフリカを含む。

(注2)為替レートを1ドルに対して、2022年:131.4円、2023年:139.7円、2024年以降:144.5円を前提としている。

(藪恭兵)

(世界)

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