METALEX2023が開幕、ジェトロパビリオンに30社が出展
(タイ)
バンコク発
2023年11月24日
ASEAN最大級の工作機械・金属加工関連見本市「METALEX 2023」が11月22日、タイのバンコク国際貿易展示センター(BITEC)で開幕した。11月25日まで4日間にわたって開催される。出展者数は766社(団体)に上り、主催者発表によれば、50カ国から2,500ブランドの工作機械・金属加工技術が出展されている。来場者数は9万5,000人、成約額は70億バーツ(約294億円、1バーツ=約4.2円)を上回ると期待される。
ジェトロは「ジェトロパビリオン」を設置し、タイで販売拡大を目指す日本企業30社が出展している。前年(2022年12月1日記事参照)の18社に比べて大幅に増加しており、新型コロナ禍以前のピーク時に迫る規模となった。円安により日本からの輸出が有利となる環境下、海外販路開拓に向けた取り組みを加速しようとする日本企業が多く、11社は初めてのMETALEX出展となった。新型コロナ禍でもオンライン商談会の機会はあったものの、機械については実物を見ずに取引・契約をすることが難しく、オフラインでの大規模展示会に出展・参加する重要性をあらためて指摘する声が聞かれた。
労働人口の不足に加えて、最低賃金引き上げを目前に控えたタイ(2023年11月9日記事参照)では、自動化・ファクトリーオートメーション(FA)関連製品へのニーズが引き続き高い。ジェトロパビリオンにおいても、オートメーション機械の設計、自動化設備の部品や電気制御設計など関連企業の出展が多い。METALEX全体でみても、インダストリー4.0関連の出展企業は194社に上る。
今次展示会では、3Dプリント技術、人工知能(AI)、スマートマテリアル(最先端機能性材料)の3分野が特に強調されている。大型3Dプリンターを設計・開発する日系スタートアップのエクストラボールドは、今回のMETALEXで新製品を発表。同社の3Dプリンターは、リサイクル樹脂やバイオプラスチックなどの利用も可能で、ASEANで社会課題となっている廃プラスチック問題にも対応する。出展ブースには、タイの大手財閥や在タイ日系企業などが訪れるなど注目を集めている。
なお、今回のMETALEXには、日本企業全体では175社が出展している。アマダ(デジタル電動制御を搭載したプレス機械)、山善(ブラザー社製コンパクトマシンニングセンタ)、不二越(コボット、注)、ファナック(高速・高精度・高効率の小型切削加工機)はタイで初めての新型技術を展示している。
日本以外では、中国企業が213社と出展者数で最大の勢力となっている。タイでは中国系の電気自動車(EV)メーカーやプリント基板(PCB)工場設置の発表が相次いでおり(2023年11月20日記事参照)、新たに発生する機械設備や工具などの需要を取り込もうとする動きがみられる。その他、タイ企業が103社、台湾企業が88社、ドイツ企業が71社、米国企業が52社、韓国企業が48社などとなっている。
(注)人と協力して働く人間協調型のロボット。協働ロボット。
(北見創)
(タイ)
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