オペル、アルジェリア向け乗用車輸出を6年ぶりに再開

(アルジェリア)

パリ発

2023年11月21日

自動車大手ステランティス傘下のドイツ・メーカー「オペル」は11月15日付のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、アルジェリアにおいてモッカ、アストラ、グランドランドの乗用車3車種の受注を11月19日から開始すると発表した。オペルの輸入ディーラーとして2023年3月に産業省(現:産業・製薬省)から営業が認可されたハリル・コマース・アンド・インダストリー(2023年5月10日記事参照)が、国内21県にある28の販売拠点を通じて、2023年中に乗用車4,000台の販売を目指している。オペルにとって、6年ぶりのアルジェリアへの自動車輸出となる。

アルジェリアでは、国内の自動車生産を拡大するため、自動車輸入に対する規制が強化されていた。政府は2017年から国内での組み立て生産を義務付け、同年から新車輸入ディーラーによる輸入が完全に停止となった(2023年1月30日付地域・分析レポート参照)。その後、新車の供給不足が深刻化し国民の不満が高まったため、政府は方針を転換し、2022年11月に新車輸入要件を改定した(2022年11月24日記事参照)。これを受けて産業省は2023年3月から、新車輸入ディーラーを対象とした営業認可を開始した。11月12日の産業・製薬省の発表によると、現時点で営業が認可された新車輸入ディーラーは38社で、そのうち乗用車に特化した輸入ディーラーは12社となっている。

オペルの発表に先立ち、中国の自動車メーカーの奇瑞汽車も11月9日、同社の輸入ディーラーであるオート・リーダー・カンパニーが7車種の自動車の販売を開始した。また、同じく吉利汽車も11月中に、輸入ディーラーのソディベムを通して4車種の販売を開始する予定だ。タイーブ・ジトゥニ商業・輸出促進相は11月9日、2023年中に輸入される自動車の台数は18万5,500台になると発表した。

政府は、今回の自動車を対象とした輸入規制緩和は新車の供給不足の解消を目的とした一時的な措置であり、最終的には国内で生産を行い、自動車産業による雇用の創出や経済回復を目指していることに変わりはない、と強く主張している。今回、乗用車の販売を開始するオペル(ステランティス)、奇瑞汽車および吉利汽車は3社とも、アルジェリア国内で製造拠点の建設を開始、もしくは予定している。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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