IPEF閣僚会合の妥結に対し、米台イニシアチブはより高度な水準との認識

(台湾、米国)

調査部中国北アジア課

2023年11月22日

米国で11月13~14日に開催された、インド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚会合後に発表された共同声明(2023年11月17日記事参照)に対し、台湾の鄧振中政務委員は「IPEFと比べて『21世紀の貿易に関する台湾・米国イニシアチブ』(以下、台米イニシアチブ)の基準の方が高い。引き続きIPEFに関心を持って注視するとともに、台湾が参加する必要があるタイミングがくれば参加を申請し、その際には多くの参加メンバーが台湾の参加について検討してくれると信じている」と述べた(「中央社」11月16日)。

2022年5月22日にIPEFが立ち上げられた際、台湾はメンバーに含まれておらず、台湾と米国の間では、2022年6月1日に台米イニシアチブが発足している。2023年5月に第1段階合意に至り、税関手続きと貿易の円滑化、良き規制慣行、サービスの国内規制、反腐敗、中小企業の5分野で合意し、合意に至らなかった7つの議題については次回協議を2023年中に設定することを目標としていた(2023年5月25日記事参照)。

鄧振中政務委員および蕭美琴駐米国台北経済文化代表処代表は、11月14日にサンフランシスコにおいてキャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表と会談を行い、台米イニシアチブの第2段階協議の推進のほか、台湾の農水産品の米国への輸出などについて協議を行った。

このほか、鄧振中政務委員は11月14、15日に開催されたAPEC閣僚会合に参加し、APECメンバーと環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)の加盟メンバーの多くが重なることから、APECメンバーに対し、台湾のCPTPP参加への支持を要請した。また、APEC首脳会合には、台湾の代表として台湾積体電路製造(TSMC)創業者のモリス・チャン(張忠謀)氏が参加し、11月16日には米国のハリス副大統領とも会談を行った。

(江田真由美)

(台湾、米国)

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