食品見本市「アヌーガ」でジェトロがJapan Streetの活用推進

(ドイツ、日本)

デジタルマーケティング部プラットフォームビジネス課

2023年10月30日

ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州ケルン市で10月7~11日、欧州最大級の食品・飲料関連見本市「アヌーガ(ANUGA)」が開催された(2023年10月26日記事参照)。80社以上(共同出展企業を含む)の日本企業が、ジェトロの運営するジャパンパビリオンに出展した。

ジャパンパビリオンでの商談機会を充実させるため、ジェトロは事前にジャパンパビリオン出展企業について、オンラインカタログサイトのJapan Street(注)に掲載した。同サイトを欧州のバイヤーに紹介、Japan Street内の商談申し込み機能を活用して、会期前からオンラインで商談予約を受け付けた。

ベルリン市内に店舗を構え、日本の食品や雑貨を販売するNihon Mono外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、この機能を実際に活用してバイヤーとして来場した。具体的には、ANUGAの会期前にJapan Streetで出展企業を閲覧し、その中から糀飲料を取り扱う出展企業のエス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(本店所在地:秋田県)に対し、展示会場での商談を依頼。会期中に同社のブースを訪問して、糀(こうじ)を使った新しいノンアルコール飲料「KOJI CLEAR」の商談を行った。

Nihon Monoは日本製品の専門店。日本酒や調味料はじめとする地域のこだわりの食品に加え、食器、調理器具などを中心とした雑貨類や絵画などを販売している。ANUGAを訪れたNihon Monoのダグマー・マース社長は日本で料理家として修業した経験もあり、店舗ではレストランやメディア関係者なども招いてワークショップを開くなど、ベルリンで日本の食品を広く紹介している。同社長は、今後もJapan Streetを活用して、新たな日本の食品や雑貨の発掘につなげたいと意欲を示した。

写真 ANUGAで直接面談したエスの秋元衆平代表取締役とNihon Monoのマース社長(ジェトロ撮影)

ANUGAで直接面談したエスの秋元衆平代表取締役とNihon Monoのマース社長(ジェトロ撮影)

写真 ベルリン市内のNihon Monoの店舗では過去にJapan Streetで調達した雑貨なども販売(ジェトロ撮影)

ベルリン市内のNihon Monoの店舗では過去にJapan Streetで調達した雑貨なども販売(ジェトロ撮影)

また、ジェトロはANUGA会期中に、日本の商品に関心を持つバイヤーを対象にJapan Streetの活用セミナーを実施した。ジェトロからJapan Streetの概要を説明したのち、実際にJapan Streetを活用しているドイツのバイヤーであるKOS-tea外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますEasyCookAsia外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが、それぞれJapan Streetの活用方法について講演した。日本茶を取り扱うKOS-teaは、Japan Street内で関心を持った、埼玉県の茶農園を実際に訪問した経験について講演。EasyCookAsiaは、Japan Streetを通じてTokyo Travel Cook Box外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(複数の日本食品を組み合わせてパッケージを販売するオンライン販売専用商品)を開発した経験談から、ドイツ市場で受け入れられる日本食品について紹介した。セミナーを聴講したバイヤーから、日本の商品の調達や調達のための訪日計画を検討する上で参考になったとの、前向きなコメントがあった。

ANUGAの会期中、約20社のバイヤーが新たにJapan Streetに登録した。今後もジェトロは、各国の展示会における広報活動などを通じて、Japan Streetのバイヤー登録数増加を目指し、日本企業の販路拡大を支援していく。

写真 セミナー会場で聴衆と狭山茶を試飲しながら2023年5月の訪日経験を語るKOS-Teaのオリバー・ザイフェルト氏(ジェトロ撮影)

セミナー会場で聴衆と狭山茶を試飲しながら2023年5月の訪日経験を語るKOS-Teaのオリバー・ザイフェルト氏(ジェトロ撮影)

(注)Japan Streetは、ジェトロが招待した海外バイヤー(海外に販路を持つ国内のバイヤーを含む)専用のB to Bのオンラインカタログサイト。

(太田響子、小飼志保)

(ドイツ、日本)

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