ステランティスとサムスンSDI、米インディアナ州で2カ所目のEVバッテリー工場建設

(米国、韓国)

シカゴ発

2023年10月17日

大手自動車メーカーのステランティスは10月11日、韓国のサムスンSDIと設立した合弁会社スタープラス・エナジーが32億ドル以上を投資し、米国インディアナ州で2カ所目の電気自動車(EV)用バッテリーの製造工場を建設すると発表した。新工場は、ココモに現在建設中の1カ所目のバッテリー工場と同じ場所に位置し(2023年7月26日記事参照)、2027年初頭に生産開始、年間生産能力は34ギガワット時(GWh)、1,400人の新規雇用を創出する予定だ。これら2工場への総投資額は63億ドル以上となり、合計2,800人の新規雇用を創出する。また、年間生産能力合計は67GWhに達する見込みとしている。

インディアナ州のエリック・J・ホルコム知事(共和党)は今回の工場建設について、「ステランティスとサムスンSDIによる決定は、インディアナ州民を未来のモビリティー革新と開発の中心的存在とし、明日のグローバル経済でインディアナ州のリーダー的地位を形成するきっかけとなるだろう」と述べた。

同州の経済開発公社(IEDC)はスタープラスに対し、投資と雇用創出計画に基づいて、条件付きの税額控除として最大3,750万ドルと、訓練助成金として最大200万ドルを提供することを約束し、IEDC理事会の承認を待っている。IEDCはこのほかにも、条件付き再開発税額控除などで最大1億1,500万ドルの投資を約束しており、さらに、郡や市、経済開発公社、電力会社なども、追加の優遇措置を同社に提供する予定だ。

今回のバッテリー新工場の建設地の発表は、ステランティスを含む「デトロイト3」と全米自動車労働組合(UAW)とのストライキで、ガソリン車からEVへの移行期間の雇用確保が争点となる中での発表となった(2023年10月10日記事参照)。ココモにあるステランティスのエンジンやトランスミッションの組み立て工場で働く従業員にとっては、新工場の建設は脅威ととらえられているようだ(CNN10月11日)。

(星野香織)

(米国、韓国)

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