日米南東部会、5年ぶりに東京で開催、日米連携強化の重要性確認

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年10月16日

45回日本・米国南東部会日米合同会議が1013日、東京都内で開催された。南東部7州(注1)の知事や商務長官など州幹部と、7州で活動する企業関係者が日米交互に毎年集まる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本での対面開催は2018年以来5年ぶりとなった。

写真 参加者でにぎわう日米南東部会の会場(ジェトロ撮影)

参加者でにぎわう日米南東部会の会場(ジェトロ撮影)

開会に際し、日本側議長のブリヂストンの津谷正明エクスターナル・アドバイザーは「不透明な世界情勢やサプライチェーン問題など、国際ビジネスの課題が多い今こそ、日米互いの理解を深めることが重要」と訴えた。次回会合(注2)のホスト州として来日したノースカロライナ州のロイ・クーパー知事(民主党)は、同州でのトヨタによる北米初のバッテリー工場建設や、ベトナムの電気自動車(EV)メーカーのビンファストによる工場建設(2023年9月27日付地域・分析レポート参照)を挙げ、同州にEV集積が整ってきたと強調した。

写真 次回参加を呼びかけるクーパー知事(ジェトロ撮影)

次回参加を呼びかけるクーパー知事(ジェトロ撮影)

2024年の大統領選挙に共和党候補として立候補しているフロリダ州ロン・デサンティス知事(共和党)はビデオメッセージで、20234月の訪日の成果(2023年4月26日記事参照)に触れたほか、「ビジネスに関心があれば、フロリダ州へ」とアピールした。各州幹部らは「中南米へのゲートウェイ」(フロリダ州)、「米国南部へのゲートウェイ」(ジョージア州、テネシー州)などと、自州が大市場との重要な結節点だと強調した。

登壇した来賓やパネリストからは、日本の自動車産業の集積に関する意見も多く出た。「トヨタ、日産、ホンダ、ブリヂストン、デンソー、アイシンなどが南東部に投資し、雇用を生み、日米の結びつきを強めている」「南東部各州がビジネス環境を改善しようと切磋琢磨(せっさたくま)したことが日本の自動車産業の集積につながった」などの発言が続いた。

南東部でのビジネス機会を討論したパネルでは、モデレーターの石黒憲彦ジェトロ理事長が「ビジネスの不確実性が高まる中、価値感を共有する巨大経済圏の日米の協力が一層重要」と述べ、パネリストらは南東部が供給拠点として好立地にあることや、自治体関係者が強固に連携し支援していること、インフラ投資雇用法(IIJA)やインフレ削減法(IRA)などの連邦施策が地域でのさらなる事業活動に追い風になっていることなどを紹介した。

写真 パネルセッション、左はモデレーターの石黒理事長(ジェトロ撮影)

パネルセッション、左はモデレーターの石黒理事長(ジェトロ撮影)

(注1)アラバマ、フロリダ、ジョージア、ミシシッピ、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テネシーの7州。

(注2)2024年10月27~29日、ノースカロライナ州シャーロットで開催予定。

(桜内政大)

(米国、日本)

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