内分泌かく乱物質を含む製品の情報提供を義務付け

(フランス)

パリ発

2023年10月26日

フランス政府は、内分泌かく乱物質を含む製品や包装に対し、消費者への情報提供を義務付けることを発表した(プレスリリース10月13日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。対象製品を取り扱う事業者は2024年4月12日までに対応が求められる。対象は殺生物性製品、植物用薬剤、医療機器、食品包装用のアクティブインテリジェント材料と製品、玩具、化粧品、食品など。

具体的には、製品および一次包装・販売時の包装で、食品環境労働衛生安全庁(ANSES)により内分泌かく乱作用があると証明、推定、疑わしいと判断された物質を0.1重量パーセント超含む場合、その物質名を含め、市場投入者はオンライン上で情報提供を義務付けられる。対象とする内分泌かく乱物質を定めたアレテ(省令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが10月12日付の官報で公布された。

同省令により、内分泌かく乱作用があると証明・推定される127の物質を特定した。マンコゼブ(CAS番号:8018-01-7)以外の全ての物質は高懸念物質(SVHC)とした。その他、内分泌かく乱作用が証明・推定される物質でも、使用方法に注意すれば栄養素の性質や健康上の利点により推奨される物質として、コレカルシフェロール(ビタミンD、CAS番号:67-97-0)を特定した。同省令では、疑わしい物質や特定の暴露リスクを示す製品のカテゴリーの対象物質は「該当なし」としている。

情報開示は、欧州で共通の携帯アプリ「Scan4Chem」(注)からも行うことができる。同アプリはEUのREACH規則に準拠しており、消費者は製品のバーコードをスキャンすることで、高懸念物質が含まれているか確認できる。

同措置は、2020年2月施行の循環経済法(2020年6月4日付地域・分析レポート参照)により2022年1月から施行と規定していたが、対象となる物質リストの策定が遅れていた。

(注)ドイツ連邦環境庁が開発・提供するアプリ。

(奥山直子)

(フランス)

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