新首都法改正案が可決、開発継続を保証
(インドネシア)
ジャカルタ発
2023年10月16日
インドネシア国会は10月3日の本会議で、東カリマンタン州の新首都「ヌサンタラ」について定めた新首都法(2022年第3号)の改正案を賛成多数で可決した。
同会議に出席したスハルソ・モノアルファ国家開発企画庁長官は「インドネシアが2045年において経済大国入りを達成するためには、ジャワ島のみならず、より包括的で公平な開発を推進する必要がある。ヌサンタラは今後、経済の牽引役となる」と述べ、2045年の経済大国入りに向けて、首都移転実現の重要性を強調した(国家開発企画庁プレスリリース)。
新首都法は、ヌサンタラ開発の根拠法として2022年2月に成立していた(2022年2月28日記事参照)。しかし、新首都の開発を加速させるため、政府の資金調達円滑化やヌサンタラ首都庁の権限を強化する必要性が叫ばれ、改正案の検討が進められていた(2023年5月18日記事参照)。改正法では、ヌサンタラ首都庁の権限強化、事業使用権など土地に関する規定、予算と物資の管理、住宅建設に関する規則、新首都開発の継続性の保証などを定めた。現地の報道では、事業使用権(HGU)については95年間、再び条件を満たせばさらに95年間延長できるとされた(「デティック」10月9日)。
民間事業でホテルや病院の建設が開始
新首都ヌサンタラでは、不動産大手アグン・スダユーグループが主導するコンソーシアムが中心
となり、2024年8月17日独立記念日の式典前の開業を目標に、「ホテルヌサンタラ」の建設が開始されている(「コンタン」2023年9月22日)。また、複合企業マヤパダグループは2023年10月3日、11月からヌサンタラでマヤパダ病院の建設を着工するとの意向を明らかにした。投資額は5,000億ルピア(約48億5,000万円、1ルピア=約0.0097円)。同社創業者のスリ・タヒル氏は、同病院は2024年4月に建設を完了し、同年7月からの開業を目指すとの見通しを示している(「コンパス」2023年10月4日)。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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