英国で4年ぶりの「ジャパン祭り」開催、日本産ホタテを提供
(英国)
ロンドン発
2023年10月11日
英国・ロンドンのトラファルガー広場で10月1日、日本の文化を発信する「ジャパン祭り」が開催された。在英国日本大使館、国際交流基金、英国日本人会、在英日本商工会議所、ジャパン・ソサエティ、日本クラブが事務局を構成。新型コロナウイルス感染拡大の影響による中断を経て、2019年以来4年ぶり13回目の開催となり、4万人以上が来場した。
佐野圭作ジャパン祭り実行委員長の開会あいさつののち、在英国大使館の林肇大使、来賓のジェレミー・ハント財務相らが開催を祝すあいさつを行った。ハント財務相は、東日本大震災から復興し、おいしい食品を輸出している福島の人々に特に敬意を表したいとしたうえで、ジャパン祭りを通じて日本の文化や、踊り、日本食を楽しんでほしいと日本語を交えながら話した。合わせて、実行委員および来賓による鏡開きも行われた。
祭りには、約40のブースが出展。ハント財務相は、イベントに先立ってブースに立ち寄り、福島県産の桃や日本産のホタテを試食した。
ホタテの試食ブースを訪れたハント財務相(ジェトロ撮影)
ジェトロは、Amazon.co.uk(英国)を活用した英国向け越境EC(電子商取引)「JAPAN STORE」のブースを設置し、ECで取り扱う日本製品をプロモーションするオフラインイベントを実施した。また、ロンドンの日本食レストラン「Mugen」、ロンドンしゃくなげ会(在英国福島県人会)、東京電力ホールディングスおよび日本食材輸入卸会社タザキフーズと共同で、日本産ホタテの提供を実施した。当日は計20キログラムの北海道産ホタテを用意。バターじょうゆで焼いたホタテを約1,000人に試食提供。試食の感想を聞くと、「大きくて身が厚い」「食感も独特でおいしい」と好意的なコメントが多数あった。また、「日本の水産物を食べたいがどこで買えるのか教えてほしい」とのニーズも確認された。
「JAPAN STORE」ブースの様子(ジェトロ撮影)
提供された北海道産ホタテ(ジェトロ撮影)
英国では2022年6月に、日本産食品に対する放射性物質規制が撤廃された(2022年6月30日記事参照)。また、外務・英連邦・開発省は2023年8月31日、福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出に関して、日本の対応を全面的に支持するとの声明を発表している(2023年9月4日記事参照)。ジェトロが英国の日系食品卸売業者や販売事業者にヒアリングしたところ、英国において風評被害が拡大している様子は特段見られないとのことだった。
(菅野真)
(英国)
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