中国初の懸垂式モノレールが武漢市で運行開始

(中国)

武漢発

2023年10月11日

武漢光谷モノレールが926日、中国湖北省武漢市で運行を開始した。同モノレールは中国初の懸垂式モノレールで、最高時速60キロで武漢市南東部にある光谷エリアの九峰山駅から龍泉山駅までの6駅(全長10.5キロ)を結ぶ。同モノレールにはGoA3クラス(注)の完全自動運転技術が採用されており、従来の列車制御方法と比較して輸送能力を10%向上させ、エネルギー消費を1520%削減させることができるという(「長江日報」926日)。

開通初期は、午前8時から午後8時まで10分間隔で運行されるが、今後は実際の状況に合わせてダイヤが調整されるとしている。

なお、今回開通したのは第1期プロジェクトとされており、今後さらに南北に延伸されることが予定されている。第2期プロジェクトでは、花山碧桂園生態城左岸から牛山湖環湖湾区までの16駅(全長26.7キロ)を結ぶ路線となる予定だ。

写真 地下鉄11号線の光谷四路駅と接続している武漢光谷モノレールの高新大道駅(ジェトロ撮影)

地下鉄11号線の光谷四路駅と接続している武漢光谷モノレールの高新大道駅(ジェトロ撮影)

写真 武漢光谷モノレールが走行している様子(ジェトロ撮影)

武漢光谷モノレールが走行している様子(ジェトロ撮影)

武漢市で急速に広がる自動運転

武漢光谷モノレールにも利用された自動運転技術は、急速に武漢市で普及している。例えば、自動車については、武漢市で2019年に「国家インテリジェント・コネクテッドカー(武漢)テストモデル区」が開始されたことを皮切りに(2019年10月3日記事参照)、無人運転のタクシーやバスが運行するテスト道路の範囲は徐々に拡大されてきた。2023年8月には7回目となる自動運転テスト道路の範囲の拡大が行われ、8月14日時点で、その範囲は経済開発区を中心に、漢陽エリアや武漢天河国際空港を含めた漢口エリアをカバーし、走行距離は1,462.91キロに達した。また、カバー面積は1,100平方キロメートルで、カバーエリアの人口は400万人以上だった(「長江網」8月14日)。

(注)自動運転のレベルを示す指標。GoA3クラスは、乗務員が乗車するものの、乗務員は避難誘導などを行うのみで、運転自体は自動で行われる。

(楢橋広基)

(中国)

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