武漢市、商業用インテリジェント・コネクテッドカーに国内初のナンバー交付

(中国)

武漢発

2019年10月03日

武漢市で9月22日、「国家インテリジェント・コネクテッドカー(武漢)テストモデル区」(以下、モデル区)の開業に伴い、中国初となる商業用インテリジェント・コネクテッドカー(ICV)のナンバープレートが交付された。

交付を受けたのはインターネット大手の百度(バイドゥ)や、スマート交通システムの研究開発を行う海梁科技、人工知能(AI)の研究開発を行う深蘭科技の3社の計7台のICV。 モデル区を含む武漢経済技術開発区(以下、開発区)内の一部の公道で、客を乗せた状態での試験走行や商業運転が可能になる。

また、モデル区の道路には、第5世代移動通信システム(5G)と人工衛星「北斗」(注)による高精度の位置情報システムが導入されており、1,000分の1秒の速さで、センチメートル単位で車両の位置を特定することができる。モデル区では、バスや清掃車、タクシーなどの自動運転実験も行われる予定だ。

写真 国家インテリジェント・コネクテッドカー(武漢)試験モデル区(ジェトロ撮影)

国家インテリジェント・コネクテッドカー(武漢)試験モデル区(ジェトロ撮影)

武漢市がモデル区へ80億元を投資

武漢市発展改革委員会は、5年以内に80億元(約1,200億円、1元=約15円)を投資し、モデル区に自動運転車やICVコネクテッドカー、新エネルギー車の生産・研究開発をはじめ、アフターケアや金融などが一体となった産業クラスターを形成することを目指している(「汽車之家」9月23日)。

武漢市の2018年の自動車生産台数は170万台で、部品産業などを含めた自動車関連産業の総生産額は4,000億元に上った。武漢市政府はモデル区への投資を通じて、主力産業である自動車産業の高度化につなげていく狙いだ。

(注)中国が独自開発した衛星測位システム(GPS)。

(片小田廣大)

(中国)

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