バングラデシュの国際飢餓指数、顕著な改善の7カ国の1つに

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年10月16日

ドイツを本拠地とする民間支援団体の世界飢餓援助機構(Welthungerhilfe)は10月12日、バングラデシュの世界飢餓指数(Global Hunger Index:GHI)は19.0ポイントで、2015年の同指数(26.2)から7.2ポイントの改善と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。GHIは、世界136カ国・地域の国民・住民を対象とした栄養状態に係る調査から算出するもので、指数の良い順から「低レベル(Low、9.9以下)」「中レベル(Moderate、10.0~19.9)」「高レベル(Serious、20.0~34.9)」「警戒レベル(Alarming、35.0~49.9)」「厳重警戒レベル(Extremely alarming、50.0以上」の5段階に分けられる。今回の調査では、低レベルの該当国として50カ国、中レベルにバングラデシュ(81位)を含む36カ国が位置付けられた。

また、調査対象のアジア21カ国・地域(注1)の中では、バングラデシュはインドネシア(17.6ポイント)に次ぐ14位で、南西アジアでみると、スリランカ(13.3)、ネパール(15.0)には劣後するものの、パキスタン(26.6)やインド(28.7)との間の位置付けにある。バングラデシュはGHIを構成する4つの指数(注2)のいずれも改善傾向にある中、「5歳以下の子供に占める発育障害の割合(Child stunting)」の改善幅(9.1ポイント減)が特に大きい。

なお、同調査の2015年版と2023年版の比較で、この間に気候変動や新型コロナウイルス感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響による食料価格上昇などの課題が重なり(2023年10月13日記事参照)、世界全体でみれば飢餓の改善は停滞する中、5ポイント以上改善した国はバングラデシュを含め7カ国のみで、特に注目すべき改善達成国とされた。同国は2026年に後発開発途上国(LDC)卒業を控える中(2021年12月6日記事参照)、飢餓の減少は引き続き注目されるだろう。

(注1)中国、モンゴル、フィジー、タイ、ベトナム、マレーシア、スリランカ、フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、ラオス、インドネシア、バングラデシュ、ソロモン諸島、パキスタン、パプアニューギニア、北朝鮮、インド、東ティモール、アフガニスタン。

(注2)「全人口に占める栄養不足の割合(Undernourishment)」「5歳以下の子供に占める栄養失調の割合(Child wasting)」「5歳以下の子供に占める発育障害の割合(Child stunting)」「5歳以下の子供の死亡率(Child mortality)」を指す。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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