INPEX、米テキサス州南部でのグリーン水素生産などの共同スタディー契約締結

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年10月16日

INPEX(本社:東京都港区)と米国グリーン・ハイドロジェン・インターナショナル(GHI、本社:テキサス州オースティン)は10月12日、米国テキサス州南部でのグリーン水素、グリーンアンモニアの大規模生産実現に向けた共同スタディー契約を締結したと発表した。

両社は共同で、大規模なグリーン水素とグリーンアンモニアの輸出評価を行い、将来的にはアジアを中心に世界中で需要の高まりが期待されるグリーン水素、グリーンアンモニアの製造を目指すとしている。

同事業では、3.75ギガワット(GW)規模の再生可能エネルギーによって電力供給を行い、岩塩ドームでの水素貯蔵技術を利用することで、季節や時間帯による電力供給量の増減を軽減する。2026年に建設開始、2029年の商業生産開始を予定しており、世界でトップレベルのコスト競争力を持つグリーン水素を年間約28万トン製造する計画だ。製造したグリーン水素は約100万トンのグリーンアンモニアとして輸出され、一部のグリーン水素は米国内への供給も検討している。

INPEXは水素・アンモニア事業に関し、2030年ごろまでに3件以上のプロジェクトを商業化する計画で、年間10万トン以上の水素、アンモニアの生産と供給を目標としている。同社は米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に向けた取り組みを進めており、2022年12月には米国ベンチャー・グローバル・LNGと液化天然ガス(LNG)売買契約締結(2023年1月5日記事参照)、2023年6月には次世代蓄電池を開発する米テラワット・テクノロジーへの出資(2023年6月7日記事参照)、2023年10月にはヒューストン港での大規模低炭素アンモニア事業の概念設計の開始(2023年10月5日記事参照)を発表している。

(深石晃)

(米国、日本)

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