バイデン米大統領、イスラエルへの継続支援を強調

(米国、イスラエル)

ニューヨーク発

2023年10月11日

米国のジョー・バイデン大統領は10月10日、イスラエルに対して10月7日に行われたロケット弾などによる大規模な攻撃について(2023年10月10日記事参照)、テレビ演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃と断定し、正当化できない「完全な悪」と糾弾した。その上で、イスラエルに対する支援継続を強調した。

バイデン大統領はハマスによる攻撃でこれまでに米国人も14人が犠牲となり、現在も人質にされている者がいると明らかにした。こうした状況下、バイデン大統領は「何よりも明白にすべきは、われわれはイスラエルとともにあるということだ」とし、同国の防衛に必要な装備品の提供をはじめ、支援を続けることを強調した。米国務省はイスラエルへの支援表明を兼ねて、アントニー・ブリンケン国務長官が10月11日にイスラエルを訪問することを発表した。バイデン大統領は支援継続のために休会中の米国連邦議会に対して、党派を越えて早急にイスラエル支援の予算を成立させるよう要求した。なお、議会では2024会計年度(2023年10月~2024年9月)の予算法案が可決できず、11月17日までを期限としたつなぎ予算で協議の時間を稼いでいる状況だ(2023年10月3日記事参照)。しかし、その間、下院議長が罷免されるなど混乱が続いており、予算法案に関する協議の進展は見られない(2023年10月4日記事参照)。

バイデン大統領は人質救出については、連邦政府が横断的に担当者を置いてイスラエルと常時インテリジェンスの共有などを継続しているとした。米国内での治安維持については、連邦の法執行機関が州・自治体と連携して、今回の攻撃に触発されてユダヤ系の市民に危害が及ばないよう警戒態勢を敷いているとしている。

米国務省はイスラエル内の米国人向けに、安全と渡航関係の警告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出しており、在イスラエル大使館の安全情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを随時確認するよう促している。現時点で、各航空会社は米国~イスラエル間の渡航便を一時停止しているが、国務省報道官によると、政府から航空会社に渡航再開を働きかけているとされる。

(磯部真一)

(米国、イスラエル)

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