政策金利は30%に据え置き、消費者物価上昇率は減速、一方で外貨準備高は漸減
(ガーナ)
アクラ発
2023年10月05日
ガーナ中央銀行の金融政策委員会(MPC)は9月25日のプレスリリースで、金融政策金利を30%に据え置くと発表した。ガーナ統計局が公表した8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比40.1%となり、3カ月連続の上昇加速に歯止めがかかった。MPCは金融政策の効果を評価しつつ、国際原油価格の上昇などによるインフレのリスクは依然として残っており、金融政策を通じて管理する必要があるとして据え置きとなった。
8月のCPI上昇率(40.1%)は、ピークを記録した2022年12月の54.1%から14.0ポイント低下し、非食品分野のインフレ率は30.9%となった。一方、食品分野は依然として高く、51.9%となっている。インフレ率の内訳をみると、輸入品が36.2%なのに対し、国産品は42.4%と輸入品の上昇率を上回っている。
2023年第2四半期の実質GDP成長率は前年同期比3.2%となり、第1四半期の3.3%からわずかに低下した。サービス部門は6.3%、農業部門は6.0%の伸びを示したが、一方で工業部門は1.9%の減少となった。2023年の上半期は、IMFが予想するGDP成長率1.6%を上回るペースとなっている。
通貨ガーナ・セディは2022年の急激な通貨安から、2023年2月以降は安定を取り戻しつつあり、8月のガーナ中央銀行の為替レートは1ドル=11.02セディ、9月は11.07セディとわずかな下落にとどまり、年率ではともに22%台の下落となった。
2023年8月現在の外貨準備高は、50億9,440万ドル(輸入の2.4カ月分)となっている。2023年5月にはIMFの拡大クレジットファシリティによる融資額30億ドルのうち6億ドルが実行されたが(2023年5月19日記事参照)、外貨準備高は2022年8月の70億ドル(同3.1カ月分)から断続的に減少している状況だ。
(アチェンポン・フランク)
(ガーナ)
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