日本製冷延鋼板へのアンチダンピング措置発動を決定、2028年まで
(マレーシア、日本)
クアラルンプール発
2023年10月02日
マレーシア投資貿易産業省(MITI)は9月29日、日本から輸出される狭幅冷延鋼板に対するアンチダンピング(AD)措置発動の最終決定を行った(MITIプレスリリース、9月27日付掲載の官報
)。対象製品は、厚さ0.2~2.6ミリ、幅700~1,300ミリの狭幅冷延鋼板で、対象品目のHSコードは上記官報7ページ目(英文)に記載されている。ただし、自動車や電気電子製品向けの鋼板はAD税の賦課対象から除外する。
MITIは2023年1月31日、地場企業マイクロン・スチールCRCによる申し立てに基づき、今回のAD調査を開始していた(2023年2月3日記事参照)。5月31日にMITIはAD税賦課の仮決定を行い(5月31日付掲載の官報)、6月1日から9月28日にかけて最高22.62%の暫定AD税を賦課していた。
今回の本決定に基づき、マレーシアは日本製鉄の製品には9.03%、その他企業の製品には22.62%のAD税を適用する。AD税は9月29日~2028年9月28日の5年間賦課する。ただし、大同特殊鋼とJFEスチールに対しては、デミニマス・マージンの確立(ダンピングの価格差が僅少)を理由に本件調査を停止し、課税対象から除外した。
日本鉄鋼連盟は9月28日付で「マレーシアMITIが(日本製狭幅冷延鋼板の輸出がマレーシア国内産業に損害を及ぼした事実はないとする)これらの主張を退け、日本からの輸入製品によるマレーシア国内産業への損害を認定したことは、不適切と言わざるを得ず、誠に遺憾」とする声明を出し、本決定の詳細を精査するとともに、今後の対応を検討する考えを表明した。MITIは国内生産者や輸入者、海外生産者・輸出者、関連団体など、調査に関連する当事者に対し、書面での申請を行えば、部外秘を除く最終決定報告書を開示するとしている。照会先は上記MITIリリース
の2ページ目に記載がある。
(吾郷伊都子)
(マレーシア、日本)
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