ブラジルの2022年再生可能エネルギー関連雇用創出数、中国に次いで世界第2位

(ブラジル、中国)

調査部米州課

2023年10月04日

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が9月28日にILOと共同で発表した報告書「Renewable Energy and Jobs:Annual Review 2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、ブラジルは2022年に再生可能エネルギー分野では、世界で2番目に雇用を創出した国となった。ブラジルは同分野で2022年に140万人の雇用を創出し、中国(555万)に次いで雇用者数が多かった。同報告書では、再生可能エネルギーやエネルギー転換技術に関する投資が近年増えて、雇用が拡大していると指摘している。

エネルギー源別に見ると、ブラジルで最も雇用を創出した分野は液体バイオ燃料で、85万6,000人の雇用を創出し、同分野では世界で最も雇用を創出した(添付資料表参照)。同報告書によると、ブラジルのサトウキビ由来、トウモロコシ由来のエタノール生産量は拡大を続けており、2022年はそれぞれ前年比で9%増、37%増だった。バイオ燃料の生産・活用がかねて盛んなブラジルは、2023年9月に開催されたG20サミットで、インドや米国とともに「世界バイオ燃料同盟(GBA)」の発足メンバーとなり、同分野で世界をリードしていく姿勢を見せている(2023年9月15日記事参照)。

次いで雇用数が多かったのは太陽光発電で、前年比84%増の24万1,000人を記録。国別では中国、米国、インドに続いて4番目に多かった。同報告書によると、ブラジルの2022年の太陽光発電の新規能力は9.9ギガワット(GW)で、累計24GWとなっている。ブラジルでは、セアラ州に拠点を構えるノルデステ銀行(BNB)と国立経済社会開発銀行(BNDES)が大規模太陽光発電プロジェクトの主な出資者となっており、2022年3月から2023年2月までの間に、累積で約42.4GWの太陽光発電プロジェクトが認可され、うち7.5GWが既に稼働している。一方で、ブラジルは依然として太陽光発電モジュールを主に中国からの輸入に依存しており、太陽光発電モジュールの輸入量(大規模および分散型電源発電能力換算)は2020年の4.8GWから2023年には17.8GWに増加している。

その他のエネルギー別の雇用者数を見ると、水力発電が19万4,000人(世界第3位)、風力発電は6万8,000人(世界第5位)となっている。

(小西健友)

(ブラジル、中国)

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