米商務省、CHIPSプラス法の新規資金援助概要を発表、3億ドル未満が対象

(米国)

ニューヨーク発

2023年10月03日

米国商務省は9月29日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づく半導体産業に対する第3弾の資金援助の概要を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。手続きに関する詳しい情報は国立標準技術研究所(NIST)のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに集約されている。

商務省は6月下旬に半導体製造施設に関する投資を対象とした第2弾の資金援助の概要を発表していた(2023年6月26日記事参照)。第2弾では、半導体製造装置や素材関連施設の建設、拡張、現代化に関する3億ドル以上の投資が対象となっていた。今回は同じ分野の設備投資で、3億ドル未満の投資が対象となる。申請手続きはこれまでの予備申請(注)と本申請に分けたかたちではなく、どの事業者も最初に計画概要を提出する必要があり、受け付けは2023年12月1日~2024年2月1日に行われる。商務省はそれら提出内容を精査した上で、6月に発表した「成功へのビジョン:半導体素材・製造装置の施設」で定めた戦略的目標に合致する有望な計画と判断した事業者に本申請へ進むよう通達するとしている。戦略的目標は次の3点に集約されている。

  1. サプライチェーンの強靭(きょうじん)性の強化:主に地理的な集中によって生じるチョークポイントのリスクを軽減する。
  2. 米国の技術的リーダーシップの推進:国内外の主要企業による投資を通じて、米国に戦略的な能力や知見を呼び込む。
  3. 活気のある製造クラスターの支援:州や自治体とともに国内外企業によるエコシステムの拡大を促進する。

NISTが同日に発表したファクトシートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、上記の3.に関しては、2社以上の事業者に加え、州・自治体の支援機関、半導体製造工場などの拠点となる機関を含めたコンソーシアムを組んで申請することを強く推奨している。申請が承認された場合は、一般的には計画されている投資額全体の10%が直接の資金援助のかたちで提供される。ただし、商務省が特に有望と認めた計画には、20~30%が提供される場合もあるとしている。なお、これまでの資金援助募集と同様に、援助が承認された事業者は安全保障上のガードレール条項を順守する必要がある。同条項の最終規則は9月下旬に公表されている(2023年9月25日記事参照)。

(注)予備申請は任意のプロセスで、本申請を検討する潜在的な申請者は計画に関する詳細な情報を提出し、CHIPSプログラム室から次のステップ(予備申請書を修正すべきか、本申請にそのまま提出すべきかなど)に関する提言を含んだ回答を得られるとしている。

(磯部真一)

(米国)

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