中銀、政策金利を13%に引き上げ、自国通貨安によるインフレリスクを警戒

(ロシア)

調査部欧州課

2023年09月20日

ロシア中央銀行は9月15日に行われた金融政策決定会合で、主要政策金利(キーレート)を12.0%から13.0%とすることを決定した。18日から適用された(添付資料図参照)。自国通貨安による物価上昇圧力が高まっており、目標の4%に向けてインフレ率を抑制するのが狙い。

エリビラ・ナビウリナ総裁は9月15日の記者会見の中で、7月から続く利上げは、自国通貨安の影響で顕在化した物価上昇リスクへの対応と述べた。通貨ルーブル安の背景にあるのは(2023年8月22日記事参照)、拡張的な財政政策、輸出の減少、内需の急速な拡大による輸入の増加だ。為替レートの影響を受けやすい自動車や衣料品などの消費財の物価上昇が現在のインフレに寄与しているという。

ロシア中銀は2023年のインフレ率見通しを6.0~7.0%とし、7月時点の見通しと比べ下限値を1.0ポイント、上限値を0.5ポイント引き上げた(2023年8月1日記事参照)。ナビウリナ総裁は、キーレートが2023年は平均で13.0~13.6%、2024年は9.6~9.7%になると述べた上で、現在の物価上昇と期待インフレが低下するまでキーレートを高い水準で維持するとした。

次の理事会は2023年10月27日に予定されている。

(小野塚信)

(ロシア)

ビジネス短信 e40a31265ccbe5c4