駐イラン・サウジアラビア新大使がイランに到着

(サウジアラビア、イラン)

リヤド発

2023年09月07日

サウジアラビア外務省は9月5日、アブドゥッラー・ビン・サウード・アル・アナジー氏が、駐イラン・サウジアラビア大使として、イランの首都テヘランに到着し、外交業務を開始したことを発表した。

アル・アナジー大使は、2021年から2023年まで駐オマーン・サウジアラビア大使を務めた経験を持つ。同大使はテヘラン到着後、サウジアラビア指導部の指示は、サウジアラビアとイラン間の関係を強化すること、およびコミュニケーションと会談を強化することの重要性を強調していると述べた。また、サウジアラビアは、両国が経済的な要素、天然資源、地域の発展、繁栄、安定、安全保障の強化に貢献する利点を有していることを考慮し、両国とその国民の共通の利益のために、両国関係をより広い範囲へと移すことを望むとした。加えて、サウジアラビアの「ビジョン2030」は、両国間の相互信頼を高めるために、善隣関係、理解、目的を持った対話、尊重の原則を確立する戦略的視点に基づき、協力を強化するために構築できるあらゆる協力関係の側面を反映したロードマップであることを強調した(9月5日付「アラブ・ニュース」)。

また、同5日にイランのアリレザー・エナヤティ駐サウジアラビア・イラン大使もサウジアラビアの首都リヤドに到着した(2023年9月6日記事参照)。エナヤティ駐サウジアラビア大使は2日にイランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相と会談し、会談の中でアブドゥラヒヤーン外相は、両国の協力の機会を考慮すると、テヘランとリヤドの関係深化は最も重要だと述べた〔9月5日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

両国は、2016年1月にサウジアラビアでシーア派の聖職者が処刑されたことを機に、イランではテヘランのサウジアラビア大使館が襲撃され、両国間の関係が悪化し国交断絶となった。2023年3月10日に中国の仲介により、両国は7年ぶりに外交関係を正常化させることに合意(2023年3月13日記事参照)。7年間の休止期間を経て、外交使節団を再開することが決定していた(2023年4月14日記事参照)。

(林憲忠)

(サウジアラビア、イラン)

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