岸田首相、ASEAN関連会合出席のほか、日・インドネシア首脳会談を実施

(インドネシア、ASEAN、日本)

ジャカルタ発

2023年09月13日

第43回ASEAN首脳会議(ASEANサミット)関連会合に出席するため、インドネシアを訪問した岸田文雄首相は、第26回日ASEAN首脳会議や第26回ASEAN+3(日中韓)首脳会議、第18回東アジア首脳会議、ASEANインド太平洋フォーラム(AIPF)などに出席した。

9月6日に行われた第26回日ASEAN首脳会議では、日ASEAN友好協力50周年の意義や、ASEAN中心性・一体性および「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」(注1)の主流化に強い支持を示した。そのほか、AIPFでの「日ASEAN包括的連携性イニシアチブ」(2023年9月8日記事参照)の発表について説明したほか、日ASEAN統合基金への新たな1億ドルの拠出表明、アジア・ゼロエミッション共同体構想下でのエネルギー移行支援、ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)のデジタルイノベーション・サステナブルエコノミーセンターの設立など、日ASEAN協力に関する日本の取り組みを説明した(9月6日外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

地域・国際情勢については、ミャンマー情勢についての深刻な懸念と「5つのコンセンサス」(注2)(2021年4月27日記事参照)を含むASEANの取り組みへの後押しを示したほか、ウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現、東シナ海における日本の主権を侵害する活動への強い反対などを示した。

9月7日には、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と首脳会談を行い、海洋安全保障、グリーンエネルギー、インフラ開発などの分野で2国間協力を強化することで合意した。会談後、日・インドネシア包括的・戦略的パートナーシップに係る共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が公開された。共同声明の中で、両首脳は、パートナーシップの拡大が「新たな共通利益分野を含め、両国およびそれを超えた利益のための具体的な協力に一層重点を置く」ことを確認した。

また、8月24日に放水が始まったALPS処理水の海洋放出に関する日本の立場について岸田首相が説明を行い、ジョコ大統領から理解が示されたほか、日ASEAN友好協力50周年を記念し、12月に日本で開催される予定の日・ASEAN特別首脳会議への協力でも合意した(9月7日外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注1)2019年の第34回ASEAN首脳会議で採択されたASEAN独自のインド太平洋構想

(注2)2021年4月のASEAN首脳級会議で採択されたミャンマー情勢に対する5項目の合意事項。

(尾崎航)

(インドネシア、ASEAN、日本)

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