2023年上期、米国がLNG輸出量で世界一を記録
(米国)
ヒューストン発
2023年09月15日
米国エネルギー情報局(EIA)は9月12日、2023年上期の液化天然ガス(LNG)輸出量で米国が世界1位だったことを発表した。1日当たり116億立方フィートを輸出し、前年同期比4%の増加となった。米国に次ぎ、オーストラリアが2位(同106億立方フィート)、カタールが3位(同104億立方フィート)だった。
輸出先は欧州地域が全体の67%を占め、オランダ、英国、フランス、スペイン、ドイツへの輸出量が多かった。アジア地域の主な輸出先は日本、韓国、インド、中国だった。
2023年4月には、米国からの輸出量が月間で過去最多(1日当たり124億立方フィート)を記録した。輸出量増加の要因としてEIAは、テキサス州のLNG製造施設フリーポートLNG(FLNG)の生産量増加(注)、ロシアから欧州諸国へのパイプライン輸出量減少への代替で、フィンランド、ドイツ、イタリア、スペインでの新規LNGターミナルの稼働を挙げている。
EIAは、欧州、英国の2023年上期のLNG輸入で、海上輸送からの輸入量(1日当たり159億立方フィート)がパイプライン経由の輸入量(同158立方フィート)を初めて上回ったことを指摘している。
(注)2022年6月に火災事故が発生し、液化設備の稼働が停止された。同年8月に操業再開に向けた是正措置などで規制当局と合意し(2022年8月4日記事参照)、2023年1月以降、規制当局は一部設備の操業再開を順次認めた。その後、最後まで稼働停止していた液化設備の操業再開が2023年3月に認められ、商業運転に復帰した(2023年1月27日記事、2023年2月22日記事、2023年3月9日記事参照)。
(深石晃)
(米国)
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