中国当局、個人情報保護法違反の知網(CNKI)に約10億円の罰金

(中国)

上海発

2023年09月08日

中国の国家インターネット情報弁公室は9月6日、「インターネット安全法」「個人情報保護法」「行政処罰法」などに基づき、学術情報を取り扱う中国最大手のプラットフォーム「知網」(CNKI、注)に5,000万元(約10億円、1元=約20円)の罰金を科すと発表した。

発表によると、CNKI傘下の同方知網(北京)技術有限公司、同方知網デジタル出版技術コーポレーション有限公司、中国学術定期発行物(ディスク版)電子雑誌社有限公司が運営するモバイル知網、知網閲読など14のアプリ(APP)に次の違法行為が見られたとされている。

  1. 必要以上の個人情報の収集
  2. ユーザー同意のない個人情報の収集
  3. 収集した個人情報の使用規則の非公開・明示せず
  4. アカウント取り消し機能を提供せず
  5. ユーザーがアカウントを削除した後、ユーザーの個人情報をタイムリーに削除せず

個人情報保護法の違反による処罰に関して、国家インターネット情報弁公室が公表した中では、2022年7月、滴滴出行に80億2,600万元の罰金を科して以来、今回が2番目に高額な罰金となった(2022年7月25日記事参照)。なお、CNKIは2022年12月に独占禁止法違反として8,760万元の罰金が科され、行政処罰を受けていた。

浙江理工大学データ法治研究院の郭兵副院長は、2021年11月に施行された「個人情報保護法」が個人情報の収集範囲、取り扱い方式、保存期限などを厳格に制限しているとし、サービスに関連しない個人情報を過度に収集してはいけないと強調した(「央広網」9月7日)。

同弁公室はインターネット安全、データ安全、個人情報保護などの分野の法執行を引き続き強化すると表明している。

(注)CNKI(中国学術情報データベース)は国内外のユーザーに中国学術文献、外国語文献、学位論文、新聞、会議、年鑑、ツールブックなどの各種学術情報の検索やオンライン閲覧、ダウンロードなどのサービスを提供するプラットフォーム。

(宋青青)

(中国)

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