8月の消費者物価上昇率は前年同月比3.27%、6カ月ぶりに上昇
(インドネシア)
ジャカルタ発
2023年09月12日
インドネシア中央統計庁(BPS)は9月1日、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比3.27%、前月比マイナス0.02%と発表した(「添付資料表 2023年8月の消費者物価上昇率」、「図 消費者物価上昇率の推移」参照)。前年同月比の伸び率は6カ月ぶりの上昇となった。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比2.18%(前月比0.13%)だった。
前年同月比のCPI上昇率は、主要11品目のうち、情報・通信・金融サービスを除く10品目が上昇した。最も上昇率が高かったのは輸送の9.65%で、パーソナルケア・その他サービス(3.76%)、食料・飲料・たばこ(3.51%)と続いた。一方、情報・通信・金融サービスは0.22%下落した。輸送については、2022年9月に補助金対象燃料の価格が引き上げられて以降2桁の伸びが続いていたが(2023年8月21日記事参照)、2023年7月から2カ月連続で1桁台の伸びとなった。
前月比の上昇率は2022年10月以来のマイナスで、主要11品目のうち、5品目がマイナスとなった。最も上昇率が高いのは教育で、0.86%だった。レストラン(0.14%)、家庭用機器、工具、定期メンテナンス(0.10%)、医療(0.10%)が続いた。他方、最も下落幅が大きかったのは衣類・履物のマイナス0.27%で、食料・飲食品・たばこがマイナス0.25%、住宅・水道・電気・家庭用燃料がマイナス0.05%と続いた。
地域別にみると、前年同月比では調査対象となっている90都市全てで上昇した。上昇幅が最も大きかった都市は西パプア州マノワクリで、6.40%上昇した。最も低かったのはジャンビ州ジャンビで1.92%だった。
インドネシア大学経済経営学部経済社会研究所(LPEM FEB UI)のエコノミスト、テウク・リエフキー氏は「今後のインフレ率は、エルニーニョ現象や大統領選挙に伴う商品・サービスへの需要増のリスクがあり、2024年のインフレ率は、今年より高い3~3.5%台の範囲で推移するだろう」との見込みを述べた(「メトロTVニュース」9月4日)。
(八木沼洋文)
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