7月の消費者物価上昇率は前年同月比3.08%、5カ月連続で鈍化

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年08月21日

インドネシア中央統計庁(BPS)は81日、7月の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比3.08%、前月比0.21%と発表した(添付資料「表 20237月の消費者物価上昇率」、「図 消費者物価上昇率の推移」参照)。伸び率は5カ月連続で鈍化し、20223月の前年同月比2.64%以来の低水準となった。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比2.43%(前月比0.13%)だった。

前年同月比のCPI上昇率は、主要11品目のうち情報・通信・金融サービスを除く10品目が上昇した。最も上昇率が高かったのは輸送の9.58%で、パーソナルケア・その他サービス(3.98%)、レストラン(3.08%)と続いた。一方、情報・通信・金融サービスは0.24%下落した。輸送については、20229月に補助金対象燃料の価格が引き上げられ、16.01%の上昇を記録して以降で初めて、1桁台の伸びに低下した(2022年10月7日記事参照)。

前月比の上昇率では、教育が最も高く、0.66%だった。輸送(0.58%)、食品・飲料・たばこ(0.22%)が続いた。他方、情報・通信・金融サービスは0.02%下落した。

地域別にみると、調査対象となっている90都市全てで上昇した。前年同月比で上昇幅が最も大きかった都市はパプア州メラウケで、5.21%上昇した。最も低かったのは北スマトラ州グヌンシトリで0.50%だった。また、前月比では77都市で上昇し、13都市で低下した。ジャカルタ首都特別州では、前年同月比2.81%、前月比0.19%とともに上昇した。

インドネシア中央銀行のエルウィン・ハルヨノ通信部長はBPSの発表を受け、「インフレ率は前年同月比で3.08%となり、前月の3.52%を下回った。インドネシア中央銀行としは、2023年のインフレ率は24%、2024年のインフレ率は1.5%~3.5%の範囲内に抑制されると考えている」と述べた(中央銀行プレスリリース81日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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