チリ政府、JBICとグリーン水素・アンモニア開発促進に向けたMOUを締結

(チリ、日本)

サンティアゴ発

2023年08月09日

チリのエネルギー省は8月7日、国際協力銀行(JBIC)とグリーン水素・アンモニア開発を促進させるための協力覚書(MOU)を締結したと発表した。これにより、エネルギー省とJBICは、カーボンニュートラル(炭素中立)達成に向けたチリの取り組みに貢献し、グリーン水素とアンモニアのバリューチェーン開発プロジェクトの構築を加速することを目指している。

ディエゴ・パルドウ・エネルギー相は「JBICとのMOU締結は、わが国の制度的枠組みとグリーン水素およびその派生品の開発のためにわれわれが実行している行動計画に対する信頼の表れだ。チリと日本は2国間協力の長い歴史を持ち、この締結は両国がカーボンニュートラルに達成に向けた共同の取り組みを促進するだろう」と言及した。

林信光JBIC総裁は「チリは再生可能資源が豊富で、グリーン水素生産に最も有望な国のひとつであり、日本とチリの企業の一部はすでにグリーン水素プロジェクトの実現可能性調査を開始している。MOU締結により、具体的なプロジェクトにおける両国間の協力関係がさらに促進されると確信している」とコメントした。

チリは2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げており、2020年11月に「グリーン水素国家戦略」を策定している(2020年11月12日記事参照)。同戦略によると、2030年までに世界で最も安価なグリーン水素の生産体制の構築、2040年までに世界でも有数の水素輸出国家になることを目指している。加えてチリ政府は、環境、地域、コミュニティーとの調和を尊重しつつ、国内のグリーン水素産業の発展に向けたロードマップを定義することを目的として、2022年12月に「グリーン水素行動計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発足させている。

(岡戸美澪)

(チリ、日本)

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